🌱 はじめに
イエスさまの歩まれた地で、何気ない風景の中に深い教えが込められていることがあります。今回取り上げるのは、葉は茂っていても実を結んでいないいちじくの木に向かって語られたイエスさまの言葉。その姿に、私たちは何を見出すことができるのでしょうか。
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前回の記事「エルサレムへ勝利の入場」はこちらからご覧いただけます
📝 この記事を読むとわかること
- 「いちじくの木」のエピソードの背景と意味
- イエスさまが語られた言葉の重み
- 弟子たちがその場面から何を学んだのか
- 私たち自身の心の実りについて考えるきっかけ
📖 この箇所の文脈|受難週の幕開けとしての出来事
前回は、イエスさまがろばに乗ってエルサレムへ入城された「勝利の入場」の場面でした。多くの群衆が「ホサナ!」と叫び、イエスさまを歓迎しました。
そしてこの時から「受難週」が始まります。十字架への道のりが、静かに、しかし確実に動き出していたのです。
今回の場面はその翌日の月曜日。イエスさまが空腹を覚え、葉が茂ったいちじくの木に実を求めて近づかれたところ、実が見つからず、その木に対して「今から後いつまでも、実を食べる者がないように」と語られます。
この言葉と行動には、単なる植物への反応以上の、深い霊的な意味が込められています。
🖼️ 原画:『いちじくの木をのろう』(らけるま作)

🪷 やさしい解説|受難週の月曜日
葉はあっても、実がない――神の目に見える「実り」とは
このいちじくの木は、見た目には葉が豊かに茂っていました。しかし、近づいてみると実がない。その姿は、外側だけ整っていても、内側に本当の実りがない状態を表しています。
いちじくは、イスラエルの象徴でもありました。その木が実を結んでいないというのは、神の民が実を結ぶことなく、形だけになっていたことの象徴とも捉えられます。
イエスさまはそのことを弟子たちに深く印象づけるために、言葉と行動をもって示されました。それは裁きの言葉であると同時に、私たち一人ひとりが「実を結ぶこと」への招きでもあるのです。
実際、イスラエル地方において、いちじくは春先に葉とともに「初期実(タクシュ)」と呼ばれる小さな実をつけ始めることがあります。そして本格的な実りは初夏から夏にかけて訪れます。ですから、葉が茂っている時点で何らかの実の兆しがあるはずなのに、それがまったく見られないということは、「見た目だけ」で実際には実を結んでいないという、霊的な警告のしるしとも言えるのです。
見た目の信仰の形ではなく、心から神に応答すること、そして愛や赦し、正義という実を結ぶこと――このエピソードは、私たちに静かに問いかけてきます。
🌼 こどもたちへのメッセージ
イエスさまは、わたしたちの心の中に「よい実」がなることをとても大切にされています。やさしさ、ゆるし、ありがとうの気もち、そんな実が大すきです。イエスさまに喜ばれる実を、いっしょにそだてていこうね。
🎚️ 弟子の告白
主よ、私はあなたに従う弟子でありたいと願っています。
けれども、見た目ばかりを整えて、心の実りを忘れてしまう弱さがあります。
どうか、私の心にあなたの光を注ぎ、本当の実を結ばせてください。
実を見つけられるあなたが、今日も私の心に近づいてくださることを感謝します。
主よ、あなたに従います。
🖼 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
イエスが弟子たちと共に、葉だけが茂るいちじくの木に近づき、実がないことを見て語りかけている場面。弟子たちがその様子を見守っている。
【キャプション】
「今から後いつまでも、おまえの実を食べる者がないように」――葉は茂っていても実を結ばなかったいちじくの木。イエスの言葉に、弟子たちは静かに耳を傾けていました。(マルコ11:12–14)
📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/
🎨 らけるまの創作メモ|いちじくの木を描こうとした日
この場面を描くとき、「葉が茂っているのに、実がない」という静かな違和感を、見てくれる人にも感じてもらえるように工夫しました。
イエスさまの視線の先にあるのは、ただの木ではなく、神の民の姿。
わたしたち自身の心を照らす、みことばの光が届きますようにと祈りながら描きました。
📝 この記事のまとめ
- イエスさまは葉だけのいちじくの木に語りかけられた
- 実を結ばない信仰の姿に警告が込められている
- 本当の「実」とは、愛や従順、ゆるしといった神への応答
- 見た目よりも、心からの実りが大切である
- 私たちの心にも実がなるよう招かれている
🕊️ 結びの祈り
天の父なる神さま、
あなたは私たちの心を見ておられます。
どうか今日、わたしの内側にあなたが喜ばれる実が結ばれますように。
外側の姿にとらわれず、ほんとうの信仰に生きる力をお与えください。
主イエスのまなざしの中に、静かに立ち続けられますように。
この記事を読んでくださったすべての方の歩みに、主の平和が豊かにありますように。
アーメン。
🔔 次回の予告
次回は、「宮きよめ」マルコの福音書11章15-19節――イエスさまが神殿で見せられた情熱と愛に触れていきます。
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きっと、あなたの今の歩みに寄り添う光が見つかりますように――
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