🌱 はじめに
イエス様が十字架で息を引き取られたあとの静かな場面――それが今回ご一緒に味わう「イエスの埋葬」の物語です。
人目を忍んで主のからだを引き取り、香料と亜麻布で丁寧に包み、新しい墓に葬る…その一つひとつの行いに、深い愛と信仰の告白が込められています。
この静けさの中で、わたしたちの心にも主の愛が優しく語りかけてきますように。
✨ イエスさまの足跡をたどる旅へ ✨
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前回の記事「イエス・キリストの十字架と贖罪(しょくざい)」はこちらからご覧いただけます
📝 この記事を読むとわかること
- ヨハネの福音書19章38〜42節の流れと背景
- アリマタヤのヨセフとニコデモの信仰
- イエス様が葬られた意味とその静けさ
- 現代を生きるわたしたちへの励まし
- 子どもたちにも伝えたいやさしいメッセージ
📖 この箇所の文脈|十字架から墓へ
前回の記事では、イエス様が十字架上で語られた「7つのことば」と、その死の瞬間までの深い意味を見てきました。
今回はその続きとして、イエス様が息を引き取られた後、アリマタヤのヨセフという人が勇気を出してピラトに願い出て、イエス様のからだを新しい墓に葬った出来事をたどります。
この物語は、弟子たちの信仰の姿勢と、イエス様の復活への道のりの一部としてとても大切な場面です。
🖼️ 原画:『イエスの埋葬』(らけるま作)

🪷 やさしい解説
—「主のからだを丁寧に包む」という信仰のしるし
ヨハネの福音書19章38節から42節は、イエス・キリストの埋葬に関する重要な出来事を記しています。
🔑 イエスの埋葬:ヨハネの福音書19:38-42節
この箇所は、イエス・キリストの死後、彼の弟子であることを隠していた二人の裕福で地位のある人物が、大きな個人的リスクを冒してイエスを弔った物語です。
👤 勇気ある二人の行動
1. アリマタヤのヨセフ (38節)
- 身分: サンヘドリン(最高法院)の議員であり、イエスの隠れ弟子でした。
- 危険を冒した行動: ユダヤ人たちを恐れていたにもかかわらず、勇気を出してローマ総督ピラトに遺体の引き取りを願い出ました。
2. ニコデモ (39節)
- 身分: 以前、夜ひそかにイエスを訪ねたユダヤ人の指導者(パリサイ人)です。
- 信仰の表明: 約32.7kg(100リトラ)にもなる没薬と沈香という非常に高価な香料を持って現れました。これは王侯貴族の葬儀に用いられるほどの量であり、イエスに対する最高の敬意の表明でした。
🚨 なぜこの行動は「最も危険」だったのか?
ヨセフとニコデモの埋葬行為は、単なる善行ではなく、彼らの社会的・宗教的な地位を揺るがす二重の危険を伴うものでした。
1. 律法上の「汚(けが)れ」
- 律法の規定: モーセの律法(民数記19章など)によれば、死体に触れた者は七日間にわたり「汚れた」状態となります。
- 影響: 彼らは安息日(金曜日の日没)を直前に控えていたため、儀式的に汚れた状態になり、安息日を含めた共同体での宗教的・社会的な活動から隔絶されることを意味しました。指導者としての地位を一時的に失うほどの不利益でした。
2. 政治的・社会的な「反逆」の疑い
- ローマからの報復: イエスはローマによって「反逆者」として処刑された罪人です。その遺体を丁重に葬ることは、ローマの判決に異議を唱える行為、すなわち反逆者の支持者であると見なされ、逮捕や処罰の対象となる危険がありました。
- ユダヤ人指導者からの排斥: イエスを死に追いやった指導者たち(彼らの同僚)に対し、公然と異を唱え、イエスを尊ぶ姿勢を示したため、共同体から追放されたり、地位を剥奪されたりする恐れがありました。
彼らは、この二重の危険を乗り越え、恐れから解放されて信仰を公にしたのです。
⚰️ 埋葬の過程 (40-42節)
埋葬の詳細
- 処置: ヨセフとニコデモは、ユダヤ人の埋葬習慣に従い、香料とイエスの遺体を亜麻布で包みました。
- 場所: 埋葬されたのは、十字架の場所の近くにあった、だれもまだ葬られたことのない、ヨセフ自身の新しい岩の墓でした。
- 緊急性: ユダヤ人の準備の日(安息日の前日)であったため、日が暮れて安息日が始まる前に全てを終わらせる必要があり、近くの新しい墓に急いで納められました。
神学的な意義
- 信仰の成就: 最高の敬意を払った埋葬は、イエスのメシア性を認め、彼に仕えたいという強い信仰の表れです。
- 復活への準備: イエスが新しい墓に葬られたことは、後に起こる復活の際、そこにいるのがイエスただ一人であり、完全に新しい命の始まりとなることを象徴しています。
💡 この箇所の持つ意味
- 信仰の告白:
- アリマタヤのヨセフとニコデモは、これまで恐れや立場のためにイエスへの信仰を公にできませんでしたが、イエスが亡くなったという最も不利な状況で、最も危険を伴う(汚れた死体を取り扱う)行動を取り、公然とイエスへの愛と敬意を示しました。これは、彼らがついに恐れから解放され、信仰を明らかにした瞬間と解釈されます。
- 預言の成就と確認:
- イエスが新しい墓に葬られたことは、メシアに関する旧約聖書の預言(例:イザヤ53:9「その墓は富める者と共に設けられた」)の成就と見なされることがあります。
- また、彼らの行動によって、イエスが完全に死んだことが確認され、後に起こる復活が真実であることを強く裏付けています。
- 「墓」の新しい意味:
- 一般的に「終わり」の象徴である「墓」が、イエス・キリストにおいては復活という新しい命の始まりの場所となります。イエスがだれも入っていない新しい墓に葬られたことは、復活を通してそこに「死」がとどまることなく、「命」の出発点となることを象徴しています。
この埋葬の行為は、イエスが死を乗り越え、復活するための準備であり、弟子たちの信仰の成熟を示す転換点でもあります。
この場面には、派手さはありません。しかし、静かで確かな信仰と愛が、主のからだを包んでいるのです。
🌼 こどもたちへのメッセージ
イエスさまは、わたしたちのために死んでくださいました。
そのあと、やさしい人たちがイエスさまのからだをきれいにして、おやすみの場所にそっとおくりました。
イエスさまの愛は、しずかでも、ほんとうにつよい愛です。
その愛は、あなたのことも大切にしていますよ。
🎚️ 弟子の告白
主よ、あなたが静かに墓に葬られたことを思うとき、
わたしの中の弱さや恐れも、そっと抱きしめられているように感じます。
アリマタヤのヨセフのように、はっきりと信仰を言えなかった日々があっても、
あなたに心を向けて生きる道がいつも開かれていることに、深く感謝します。
わたしもまた、香料をそっと差し出すような、小さな従順をもって、
今日もあなたを愛し、信じて歩みたいと願います。
あなたの復活の光を、希望として見つめながら。
🖼️ 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
石の墓の前、アリマタヤのヨセフがイエスの遺体を亜麻布で包み、墓に納めようとしている様子。手前には、赤とピンクの衣を着た二人の女性が静かに見守っている。背景には丸い石が置かれた墓の入り口が描かれている。
【キャプション】
「イエスの埋葬」― ヨハネによる福音書19章38〜42節より
アリマタヤのヨセフとニコデモが、イエスのからだを丁寧に葬る場面。深い悲しみと静けさのなか、主の愛を胸に見守る弟子たちの姿が描かれています。
📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
日本語聖書:口語訳(Jimdoサイト)
🎨 らけるまの創作メモ|静かな愛を描こうとした日
この原画を描いた日は、イエスさまが葬られたときの「静けさ」に心をとめていました。
誰にも知られず、でも心から主を愛する人々が、そっと捧げる行い――その美しさを、できるだけやさしい色合いと構図で表現しようとしました。
「声を上げなくても、信仰は生きている」
そのような信仰の姿を、色鉛筆の柔らかなタッチで伝えられたらと願いながら描きました。
📝 この記事のまとめ
- イエス様の埋葬は、信仰ある人々の静かな愛によって行われた
- アリマタヤのヨセフとニコデモは、勇気と信仰をもって主のからだを葬った
- イエス様の墓は、まだ誰も使ったことのない新しい墓であった
- この出来事は、復活の希望へとつながっていく
- わたしたちも、小さな従順をもって主に応答することができる
🕊️ 結びの祈り
主よ、あなたが静かに墓に葬られたことを思います。
この静けさの中に、あなたの深い愛が流れていることを感じます。
どうか、わたしたちもまた、信仰の小さな行いを通してあなたを愛する者となれますように。
目立つことがなくても、心からあなたに仕えることができますように。
読んでくださった方おひとりおひとりの心に、あなたの平安が深く注がれますように。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
🔔 次回の予告
次回は、「墓の封印」マタイの福音書27章62〜66節を取り上げます。
静けさの続く中に、神のご計画が確かに進んでいたことを見ていきましょう。
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