🌱はじめに
とても高価な香油を、マリヤは迷わずイエスさまのもとに注ぎました。人々の目には無駄に思えるその行いを、イエスさまは深く受けとめ、やさしく肯定されます。静かな部屋の中、愛と献身の香りが満ちるこの出来事は、今も私たちの心を揺さぶります。
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前回の記事「オリーブ山での説教」はこちらからご覧いただけます
📝この記事を読むとわかること
- 香油を注いだ女性の信仰と愛
- イエスが語られた「良いこと」とは
- この行為が福音とともに語り継がれる意味
- ヨハネの福音書との関連性
- 弟子としての心の姿勢
📖 この箇所の文脈|十字架へ向かう道のり
前回は、イエスがオリーブ山で終末について弟子たちに語られた場面でした(マタイ25章)。その預言の後、舞台は再び地上の現実に戻ります。今回の場面は、十字架を目前にしたイエスがベタニヤの「らい病を患ったことのある人」シモンの家に招かれているところから始まります。
その食卓に、一人の女性が現れます。彼女の行動は、弟子たちを驚かせ、イエスの受難への深い意味を表す象徴となっていきます。
🖼️ 原画:『マリヤの香油注ぎ』(らけるま作)

🪷やさしい解説:受難週の火曜日
イエスさまが十字架にかかられる数日前、ベタニヤの静かな家で起こった出来事は、マリヤという一人の女性の信仰と愛によって満たされました。
マタイの福音書では「ひとりの女」と記されていますが、ヨハネ12章では、それがマルタの姉妹マリヤであることが明らかにされています。彼女はラザロの姉であり、イエスさまに深く信頼を寄せていた人物です。
彼女は、非常に高価な香油が入った石膏のつぼを割り、イエスさまの頭に注ぎます(ヨハネでは足に注ぎ、髪でぬぐったとあります)。その行動は、周囲の弟子たちにとって理解できず、「もったいない」と非難されました。
けれどもイエスさまは、マリヤの行動を「良いことをしてくれた」と言って受け入れられます。香油を注いだのは、イエスさまの埋葬の備えであり、愛による献身の現れだったのです。
💎 高価な香油の価値と意味とは?
この香油は、ただの高級品ではありませんでした。当時、ナルドの香油は300デナリ以上もの価値がありました。1デナリは労働者の一日分の賃金に相当しますから、これはほぼ1年分の給料、現代なら数百万円にものぼる価値と言えます。
さらに重要なのは、こうした香油は、若い女性が「嫁入り道具」として長年かけて大切に蓄えるものであったことです。マリヤにとって、それは将来の備えであり、人生の希望そのものでした。
その最も大切なものを、マリヤは惜しみなくイエスさまにささげました。それは、自分の人生をまるごと主にゆだねるという深い信仰の表れでした。
💎 マリヤを非難したのは誰?
ヨハネの福音書によると、弟子たちの中でこれを非難したのは、イスカリオテのユダでした。彼は会計係として金を管理していたものの、盗みを働いていた人物でもありました(ヨハネ12:6)。
彼がこう言ったのは、貧しい人たちに対する思いやりがあったからではなく、自分が盗人であり、財布を預かっていて、その中身をごまかしていたからであった。(ヨハネ12:6)
🌿マリヤの最後の登場
この「香油を注ぐ」出来事が、福音書におけるマリヤの最後の登場です。
彼女は、かつてイエスさまの足元に座り、マルタの忙しさとは対照的に「良いほうを選んだ」と言われた女性(ルカ10:39-42)。
そのマリヤが、十字架を目前にした主の心を受けとめ、埋葬の備えとして香油を注いだのです。
他の弟子たちが十字架のことを理解できず戸惑っていた中で、彼女は「言葉を超えて」イエスさまのご計画に心を寄せていました。
✨マリヤが記されない理由
その後、十字架の場面や、墓を訪れる女性たちの中にマリヤの名前はありません(復活の朝、墓に来たのは「マグダラのマリヤ」)。
それは、彼女がすでに自分のなすべきことをすべて成し遂げたからだと考えられます。
主はこう言われました:
「この福音が全世界で宣べ伝えられる所では、彼女のしたことも語り伝えられて、彼女の記念となるであろう。」
(マタイ26:13)
彼女の信仰と献身は、言葉ではなく、香りとなって、今も世界中に語り継がれています。
🌼こどもたちへのメッセージ
マリヤは、イエスさまがどれだけ大切なかたかを、よく知っていました。そして、いちばん大事なものをイエスさまにささげました。イエスさまは、そのやさしさと心をちゃんと見ていて、「よいことをしてくれた」とほめてくださいました。
みんなも、イエスさまにできるやさしいことを、小さくても大切にしていってね。
🎚️ 弟子の告白
主よ、私はマリヤのように、すべてをささげる勇気がないときもあります。人の目を気にしてしまう弱さもあります。
けれど、あなたの愛の大きさと、私の小さなささげ物を受け取ってくださる優しさを思うとき、心からあなたに従いたいと願います。
この身も、この時間も、あなたの御前に香り高いささげ物となりますように。
🖼 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
イエスの足元で香油を注ぎ、髪で拭うマリヤの姿。弟子たちと共にいるイエスが静かに語っている場面を描いた、マタイ26章6〜13節の場面のイラスト。
【キャプション】
マリヤは高価な香油を惜しみなくイエスに注ぎました。人々の非難をよそに、その行為はイエスに受け入れられ、福音とともに語り継がれると約束されました。
📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/
🎨 らけるまの創作メモ|香油の香りが満ちる部屋を描こうとした日
この絵を描くとき、静かな部屋の中に漂う香油の香りを思い浮かべていました。マリヤの大胆な行動と、それを優しく受け止めるイエスさまのまなざし。見る人の心にも、その温かな空気が届くようにと祈りながら筆を取りました。
📝この記事のまとめ
- マタイ26章6–13節は、マリヤがイエスに香油を注ぐ場面
- ヨハネ12章では、その女性がマリヤであると明記
- 弟子たちは批判したが、イエスは「良いこと」と評価
- マリヤの行動は信仰と礼拝の象徴
- 私たちもイエスに心をささげる弟子でありたい
🕊️ 結びの祈り
主よ、
マリヤのように、あなたにすべてをささげる心を与えてください。
自分の大切にしているものを手放すことを恐れず、あなたの愛に応える者としてください。
読んでくださった方が、それぞれの人生のなかで、イエスさまの愛に包まれ、導かれていきますように。
平安と恵みが日々の歩みに豊かに注がれますように。
アーメン。
🔔 次回の予告
次回は、「イスカリオテ・ユダの裏切り」マタイの福音書26章14-16節――静かな夜に忍び寄る裏切りの影、その中にも主のご計画が動き出します。
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