ユダヤへの出発 ― マタイの福音書19章1節~20章16節

イエスが子どもたちを祝福し、群衆と語り、富める青年と対話し、弟子たちに教え、ぶどう園のたとえを語る5つの場面が横長に描かれている。 教えとたとえ話|心に届くことば

🌱はじめに
イエス様がガリラヤを離れ、十字架へと向かわれる旅路。その途中、弟子たちや群衆と共に歩みながら語られた、いくつもの深い教えがあります。結婚の本質、子どもたちへのまなざし、富の危うさ、そして神の国の恵み…。それぞれの言葉には、神の愛と真実が込められています。今回は、マタイ19章から20章16節までを、やさしくたどってみましょう。



📝この記事を読むとわかること

  • イエス様が語られた結婚と独身についての教え
  • 子どもたちに示された神の国の姿
  • 富に縛られた青年の物語と、イエスに従う者への約束
  • 「ぶどう園の労働者のたとえ」が教える神の恵みのかたち

📖 この箇所の文脈|ユダヤへの道のりで語られた教え

マタイの福音書19章1節から20章16節は、イエスがガリラヤ地方での働きを終え、エルサレムでの受難へと向かう途上、ペレア(ヨルダン川の東側、ユダヤ地方に近い地域)を中心に教えを説いていた時期に位置します。

この箇所は、ルカの福音書17章11節から18章14節で描かれた一連の教え(神の国の到来、感謝しない人、不当な裁判官のたとえ、パリサイ人と取税人のたとえなど)の直後の出来事として捉えることができます。

ルカの箇所が終わる時点では、イエスは「人の子が来るときに、果たして地上に信仰が見られるだろうか」(ルカ18:8)と問いかけ、神の前での真の謙遜さ(取税人の祈り、ルカ18:14)の重要性を強調しました。


🖼️ 原画:『ユダヤへの出発』(らけるま作)

弟子と群衆に囲まれて話すイエスと、近づいて質問するパリサイ人たちの姿。背景にはさまざまな人々の表情が描かれている。

幼い子どもたちの頭に手を置いて祝福するイエス。周囲には弟子たちや親たち、群衆が集まっている。
イエスと若い裕福な男が向かい合って会話している場面。イエスは穏やかな表情で語りかけ、男は真剣なまなざしを向けている。
イエスを囲んで問いかける弟子たちの姿。ペテロをはじめとする弟子たちが真剣な表情でイエスの言葉に耳を傾けている。
ぶどう園のたとえに登場する労働者たちが、一日の終わりに主人から賃金を受け取っている場面を描写した聖句テキスト。

🪷やさしい解説|旅路で語られたやさしくも鋭い真理

この旅の途上で語られた教えには、イエス様の深いまなざしと、私たちの心を照らす真理が込められています。一つひとつ、ゆっくりと味わっていきましょう。


「ユダヤへの出発」マタイ19:1-2

イエス様はガリラヤを後にし、群衆と共にヨルダン川の向こうへ旅立ちました。多くの人々が従い、癒しを求めてやってきた姿には、イエス様のもとへと向かう信仰の動きが感じられます。


「離婚と独身者について」マタイ19:3-12

パリサイ人たちはイエス様を試そうとして離婚について問いかけます。イエス様は創造のはじめ(創世記2:21-24)に立ち返り、神の御心がどこにあるのかを静かに語られました。結婚の尊さと、独身という選びに込められた使命も示されます。


「子どもたちを受け入れる」マタイ19:13-15

弟子たちが幼い子どもたちを遠ざけようとする中、イエス様は子どもたちを腕に抱き、祝福されました。純粋に神に信頼する者こそ、天の御国にふさわしいのだと教えられます。


「資産家の危険」マタイ19:16-22

永遠の命を求めてきた青年に、イエス様は「持ち物を売り、わたしに従いなさい」と語られました。多くを持つ者ほど、手放すことの難しさに悩む姿がそこにあります。


「イエスに従う者の富と報い」マタイ19:23-30

イエス様は、富のある者が神の国に入ることの難しさを語られつつ、すべてを捨てて従った弟子たちへの報いについても希望を与えられました。「人にはできないが、神にはできる」――この言葉が、すべての答えです。


「ぶどう園の労働者のたとえ」マタイ20:1-16

神の国の恵みは、私たちの「順番」や「努力」ではなく、神の憐れみによって注がれるもの。朝早くから働いた者にも、夕方に呼ばれた者にも、同じ報酬が与えられるというこのたとえは、神の愛の広さを教えてくれます。


🌼こどもたちへのメッセージ

イエスさまは、小さなこどもたちをとてもたいせつにされました。どんなに小さくても、しんけんな心でイエスさまを信じるなら、天の国はあなたのものです。イエスさまは、あなたのことをいつも見守って、ぎゅっとだきしめてくださるお方です。


🎚️ 弟子の告白

主よ、私はあなたにすべてを従うと誓いながら、心の中にはまだ手放せない思いや、恐れがあります。それでも、あなたのまなざしが私に注がれていることを知っています。富や評価ではなく、あなたの御国を求めて生きる者でありたいと願います。どうか私の弱さの中に、あなたの力を現してください。


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
イエスを取り囲む群衆と、語りかけるパリサイ人たち、幼子や弟子たち、若者との対話、ぶどう園のたとえなど、6場面が丁寧に描かれている。

【キャプション】
ユダヤへの旅路で語られた、イエスの教えの数々。どの場面にも、神の愛と真実があふれている。

📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/


🎨 らけるまの創作メモ|ユダヤへの道を描こうとした日

 この絵を描いたとき、イエス様が弟子たちや人々とどんな思いで歩んでおられたのかを、想像しながら筆をとりました。問いかける目、見つめるまなざし、祝福の手…。どの場面にも、神の愛が流れていることを表したいと願って描きました。


📝この記事のまとめ

  • イエス様は旅の途上で大切な教えを語られた
  • 結婚、子どもたち、富、信仰についての視点が示される
  • 神の国は、努力ではなく神の恵みによって開かれる
  • 弟子として従う者に、報いと希望が約束されている

🕊️ 結びの祈り

主よ、あなたが語られた言葉一つひとつが、私たちの心を照らし、導いてくださることを感謝します。私たちが自分の力や持ち物に頼るのではなく、あなたの憐れみに信頼して歩むことができますように。どうか、読む一人ひとりの心に平安と恵みが注がれますように。


🔔 次回の予告

次回は、「三度目の十字架の死の予告」(マルコの福音書10章32-34節)をお届けします。


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