エルサレムに向かう最後の旅|ルカ17章11節-18章14節

イエスが弟子たちと共に立ち、手前には重い皮膚病を患っていた男性が癒されてひざまずき、感謝の言葉を捧げている場面。両脇にはユダヤの指導者たちや他の人々が見守っている。背景には穏やかな色合いと、イエスのまなざしに平和と恵みが表現されている。 教えとたとえ話|心に届くことば

🌱 はじめに

イエスさまがエルサレムに向かう最後の旅路には、弟子たちと人々に向けた深い教えがちりばめられています。神の国とは何か、祈りとはどのような心でささげるべきか――この旅は、私たちの信仰の姿勢を見つめ直す、やさしくもまっすぐな導きの道です。



📝 この記事を読むとわかること

  • イエスさまが最後の旅路で語られた大切な教え
  • 「神の国」や「人の子の日」についての理解
  • 祈りの姿勢としてふさわしい心のあり方
  • 感謝とへりくだりの大切さ

📖 この箇所の文脈|エルサレムへの旅

前回は、ベタニアの死んだラザロを生かす奇跡のためにイエスは命を狙われました。そこでユダヤ人を避けてエフライムに退いたあと、エルサレムに向かう最後の旅の出来事です。


🖼️ 原画:『エルサレムに向かう最後の旅』(らけるま作)

イエスと弟子たちが村に入ると、10人の重い皮膚病を患う人々が遠くから叫び、イエスに助けを求めている様子。後半では、そのうちの一人だけが癒された後に戻り、イエスの足元にひれ伏して感謝している場面が描かれている。

ルカ17章の聖句が美しい手書き文字で描かれた原画。パリサイ人の問いに対して、イエスが「神の国は、見えるかたちでは来ない」と語り、また「人の子の日」に関するたとえ(ノアとロトの時代)を通して、目に見える兆しではなく、心の中に神の国があることを教えている。
オレンジの衣をまとったやもめの女性が、青い衣の不義な裁判官に向かって強く訴えかけている場面。女性は困難の中でもあきらめず、正義を求め続けている様子が描かれている。背景には、祈りの大切さと、忍耐をもって神に求めることの例えが聖句と共に記されている。
神殿で祈る二人の姿が描かれている。一人は敬虔そうな姿勢のパリサイ人で、誇らしげに手を組んで祈っている。もう一人は取税人で、胸に手を当て、顔を上げることもできず、悔い改めるように祈っている。背景にはルカ18章のイエスのたとえ話の聖句が添えられている。

🪷 やさしい解説

イエスさまがエルサレムへ向かう最後の旅で語られた言葉には、
信仰の歩みを照らす光のような教えが込められています。
感謝する心、祈りをあきらめない姿勢、そして神の前にへりくだること――
そのすべてが、今日を生きる私たちにも大切な道しるべとなります。


「きよめられた十人のうち、ひとりだれが感謝する」ルカ17:11-19

重い皮膚病を患っていた10人の人々は、イエスさまに癒されました。しかし、そのうち感謝を伝えに戻ったのは、ただひとり――しかも異邦人であるサマリア人でした。神の恵みに対する応答としての「感謝」が、どれほど尊いものかを教えられます。


「神の国の到来」ルカ17:20-21

神の国は、人の目に見える形では来ません。「ここにある」「あそこにある」と言われるものではなく、すでに「あなたがたのただ中にある」のです。神のご支配は、静かに、しかし確かに、信じる者のうちに始まっています。


「人の子の日」ルカ17:22-37

終わりの日に関する教えでは、旧約聖書に登場するノアとロトの時代がたとえに使われています。
ノアの時代、人々は日常の生活(食べたり飲んだり、結婚したり)を続けていましたが、突然洪水が襲い、すべてが滅ぼされました。
また、ロトの時代も同じように、人々が普通に生活していた中で、天から火と硫黄が降ってソドムの町が滅ぼされました。

イエスさまはこのたとえを通して、「終わり」は突然訪れること、そしてそのときに備えて、今を忠実に生きることの大切さを教えておられます。


「祈りに関する教え、やもめと裁判官のたとえ」ルカ18:1-8

やもめのように、あきらめずに願い続ける信仰の姿勢を、イエスさまはたとえで教えてくださいました。不義な裁判官ですら聞き入れるなら、正しい神がどれほど愛をもって応えてくださるかを、思い出しましょう。


「パリサイ人の祈りと取税人の祈りのたとえ」ルカ18:9-14

高慢な心で祈るパリサイ人と、悔い改めて胸を打ち祈る取税人。神さまが受け入れられたのは、へりくだる者の祈りでした。信仰とは、自分の義を誇ることではなく、神の前に心を低くすることなのです。


🌼 こどもたちへのメッセージ

イエスさまは、いつでもわたしたちの祈りを聞いてくださいます。ありがとう、ごめんなさい、たすけてください、という言葉を、心から伝えてみましょう。神さまは、やさしく聞いてくださいますよ。


🎚️ 弟子の告白

イエスさま、わたしは時に、祈ることを忘れたり、感謝を後回しにしたりしてしまいます。でも、あなたの教えにふれて、もう一度心をまっすぐに向けたいと願います。あなたの愛に信頼して、へりくだる心で歩む弟子でいさせてください。


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
イエスさまの最後の旅路での出会いと教えを描いた4枚の挿絵。感謝するサマリア人、神の国の教え、やもめと裁判官のたとえ、取税人の祈りなどが描かれている。

【キャプション】
「エルサレムに向かう最後の旅」――イエスの語られた教えを心に刻むための、4つの物語。

📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/


🎨 らけるまの創作メモ|まっすぐな祈りを描こうとした日

この一連の原画は、「心の姿勢」をテーマに描きました。外からは見えにくい、でも神さまにははっきりと届いている祈りや感謝の心。その静かなやりとりを、あたたかく見守ってくださるイエスさまのまなざしを、描けたらと願いました。


📝 この記事のまとめ

  • イエスさまの最後の旅路で語られた、心に届くたとえ話
  • 感謝する心、へりくだる心、祈り続ける信仰の姿勢
  • 神の国は、私たちのただ中にあること
  • 日常の中にある終わりのしるしへの備え
  • 神の前に心を低くして祈ることの大切さ

🕊️ 結びの祈り

愛する主よ、
あなたが最後の旅路で語ってくださった教えのひとつひとつが、私たちの心に根づきますように。感謝を忘れず、祈りをあきらめず、へりくだる心をもって、あなたに従う者でいさせてください。
このブログを読んでくださった一人ひとりにも、あなたの平和と励ましが注がれますように。
アーメン。


🔔 次回の予告

次回は、「ユダヤへの出発」マタイの福音書19章1-20章16節
イエスさまの歩みは、さらに十字架へと向かっていきます――次回もどうぞお楽しみに。


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