「昔の人たちの言い伝えと真実の教え」マルコ7:1–23

イエスがパリサイ人や律法学者たちに囲まれながら、「人を汚すのは心の内から出るもの」と教えている場面。弟子たちや民衆がその言葉に静かに耳を傾けている様子が描かれている。 教えとたとえ話|心に届くことば

🌱 はじめに

イエスさまはある日、パリサイ人たちと出会い、弟子たちが「昔の人の言い伝え」に従っていないことを理由に非難されました。けれどイエスさまは、外側のしきたりよりも、内側の心のあり方が大切だと教えられたのです。

私たちが本当に大切にすべきものは何か――イエスさまは、静かに、しかしはっきりと語ってくださいます。


📝 この記事を読むとわかること

  • パリサイ人との論争の背景と意味
  • 外側の清めと内側の心の問題の違い
  • イエスさまの「汚れ」に対する本質的な教え
  • 口先ではなく、心で神を敬うことの大切さ

🖼️ 原画:『昔の人たちの言い伝えと真実の教え』(らけるま作)

イエスのもとに集まったパリサイ人たちと律法学者たちが、弟子たちのふるまいについて問いただしている場面。イエスが静かに語りかけ、民衆がそれを見守っている。
部屋の中で弟子たちに囲まれながら、心からの教えを語るイエス。イエスの言葉に耳を傾ける弟子たちの真剣なまなざしが描かれている。
「人の心から出てくるもの」 イエスは弟子たちに、「人を汚すのは外から入るものではなく、内から出るもの」と教えられました。 「人の心の中から、悪い思いが出て来る」(マルコ7:21)

🪷 やさしい解説

イエスさまは、形式的な信仰のあり方ではなく、心から神を求めることの大切さを語られました。
パリサイ人たちは、「昔の人の言い伝え(口伝律法)」を重んじていましたが、それはときにモーセの律法以上に人々を縛るものになっていました。

イエスさまは、「人を汚すものは、食べ物や外から入ってくるものではなく、心の中から出てくるものです」と教えられました。

これはとても大切なことばです。神さまが見ておられるのは、わたしたちの「行い」だけではなく、「心の中」――つまり、考えていること、感じていること、動機なのです。

🌾 イエスさまがあげられた「人を汚すもの」一覧と説明


🖤 不品行(ふひんこう)

からだやこころを大切にせず、神さまの教えにそぐわない関係や行動をすること。
⇒ 他人を傷つけたり、自分を軽んじたりする生き方。


🖤 盗み

自分のものではないものを、正しくない方法で手に入れること。
⇒ 物だけでなく、だれかの名誉や時間を奪うことも含まれます。


🖤 殺人

いのちを奪うことだけでなく、心の中で人を憎んだり、悪く思ったりすることも、聖書では「殺すこと」とされています(マタイ5:21-22)。
⇒ 言葉で人を傷つけることも、神さまはご覧になっています。


🖤 姦淫(かんいん)

神さまが祝福された「夫婦」の関係を壊すような行為や思い。
⇒ 忠実であることの大切さを教えています。


🖤 貪欲(どんよく)

「もっともっとほしい」という心。満たされない思いが、神さまよりも物や自分の願いを優先させてしまいます。
⇒ 感謝の心を忘れさせるものです。


🖤 邪悪(じゃあく)

他人を傷つけてもかまわないというような、悪意に満ちた心。
⇒ 自分の利益のためなら何をしてもいい、という思いです。


🖤 欺き(あざむき)

うそをついたり、ごまかしたりして、相手をだますこと。
⇒ 神さまの前では、正直な心が求められます。


🖤 好色(こうしょく)

自分の欲望のままに行動したいという心。
⇒ 他者を自分の満足のために使おうとする傾向です。


🖤 妬み(ねたみ)

他人の持っているものや才能をうらやみ、自分もそれがほしいと願う心。
⇒ 神さまがくださった自分への恵みに目が向かなくなってしまいます。


🖤 誹り(そしり)

人のことを悪く言ったり、悪口を言うこと。
⇒ 言葉には力があり、人を生かすことも、傷つけることもできます。


🖤 高慢(こうまん)

自分のことを偉いと思い、他人を見下す心。
⇒ 神さまの前にへりくだることができなくなります。


🖤 愚痴(ぐち)

不平や不満を口にし続けること。
⇒ 神さまへの信頼や感謝の心が遠のいていってしまいます。


💡 まとめとして

イエスさまは、これらのことが**「すべて人の内側から出てくる」**と教えられました。
わたしたちは、外側をどれだけ整えても、心の中が神さまの愛と遠いところにあるなら、それは清くありません。

でも、神さまは恐れることなく、私たちの心の中を見つめ、愛とあわれみをもって清めようとしてくださるお方です。

「きよくなることを願う心」――それが神さまへの第一歩です🌼
イエスさまのことばを何度も読み返しながら、静かに自分の心に向き合ってみましょう。


🌼 こどもたちへのメッセージ

おててがよごれていると、ごはんの前にあらうよね。でも、イエスさまは、「本当にたいせつなのは、心のなかのきもちだよ」っておしえてくれたの。やさしいこころ、うそをつかないこころ、かみさまをしたうこころ――そんなこころをたいせつにしていこうね。


🎚️ 信仰のことば

「この民は口さきではわたしを敬うが、その心はわたしから遠く離れている。」
(マルコ7:6)


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
1枚目:イエスのもとに集まったパリサイ人たちと律法学者たちが、弟子たちのふるまいについて問いただしている場面。イエスが静かに語りかけ、民衆がそれを見守っている。
2枚目:部屋の中で弟子たちに囲まれながら、心からの教えを語るイエス。イエスの言葉に耳を傾ける弟子たちの真剣なまなざしが描かれている。

【キャプション】
1枚目:「人の教えと神のまこと」
イエスは、形式を重んじる宗教指導者たちに対して、神の真実な心を問いかけられました。

2枚目:「人の心から出てくるもの」
イエスは弟子たちに、「人を汚すのは外から入るものではなく、内から出るもの」と教えられました。

📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。


🎨 らけるまの創作メモ|心の中の真実を描こうとした日

この原画を描くとき、わたしの心には、「どんなにまじめに見えても、神さまの前では心がすべてなんだ」という思いがありました。
パリサイ人の真剣なまなざしの奥にある「かたくなさ」と、イエスさまのやさしくも強いまなざしの違いを描きたかったのです。
弟子たちの姿には、「ほんとうのことを知りたい」という渇きと、学びの姿勢を込めました。


📝 この記事のまとめ

  • パリサイ人は「口伝律法」を重視し、イエスと対立した
  • イエスは、心の状態こそが神の前で重要だと教えた
  • 清めの儀式よりも「人を愛する心」が大切
  • 内側から出る悪が人を汚すことをイエスは明らかにした
  • 形式ではなく、心から神を敬う信仰を育てたい

🕊️ 結びの祈り

主よ、
わたしたちが外見ではなく、心の内側を整える者でありますように。
どんなに立派に見えても、あなたの目には心がすべてであることを忘れないようにしてください。
人を裁くのではなく、自分の心を探るへりくだりを与えてください。
主イエスの恵みによって、今日も静かにあなたと歩めますように――
アーメン。


🔔 次回の予告

次回は、「カナン人の女の信仰」マタイ15:21-28
異邦の地で、イエスさまに願い求めたひとりの女性――その信仰の深さに、イエスご自身が驚かれたお話です。


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