死んだラザロを生かす――希望の光が涙の谷に届くとき(ヨハネの福音書11章1–54)

ラザロの墓の前で、手足を布で巻かれたラザロが出てくる場面。イエスが両手を広げ、周囲の人々が祈るように見守っている。 奇蹟|自然を超えた行い

🌱 はじめに

深い悲しみの中にあっても、主は決して私たちを見放されません。愛する人の死を前にしたマリヤとマルタ、彼女たちの嘆きに耳を傾け、涙し、そして命を呼び戻されたイエス。この物語は、私たちの絶望のただ中に、希望の光が差し込むことを教えてくれます。



📝 この記事を読むとわかること

  • ラザロの死と復活の意味
  • イエスの深い共感と涙
  • 復活といのちの主としてのイエスの姿
  • 宗教的指導者たちの反応と陰謀
  • 今日の私たちへのメッセージ

📖 この箇所の文脈|信じる者は生きる

前回、ルカの福音書16章19-31で「金持ちとラザロ、苦しみの場所ハデス」について語りました。今回は、イエスが深く愛されたマリヤとマルタ、そしてその兄ラザロの物語です。ベタニヤという静かな村を舞台に、死と復活、信仰と栄光、愛と陰謀が交錯する出来事が展開します。


🖼️ 原画:『死んだラザロを生かす』(らけるま作)

イエスにラザロの病気を伝えるために集まった人々と、弟子たちに語るイエス。右上にはユダヤの地図が描かれている。

イエスが弟子たちとともにユダヤへ向かう場面。弟子たちは危険を心配しつつも従い、マルタはイエスを迎えに出て信仰を語る。
イエスとマルタが対話する場面。マルタは地面にひざまずき、イエスのことばに耳を傾ける。下の場面では、マルタがマリアにイエスの到着を知らせている。
マリアが涙ながらにイエスの足もとにひれ伏し、ラザロの死を悼む場面。イエスは深く心を動かされ、共に涙を流す。
墓の前で両手を挙げて祈るイエスと、それを見守る人々。墓の中からは、布で包まれたラザロが出てくる場面。

🪷 やさしい解説

ベタニヤの村で起きた、ラザロの死と復活の出来事――そこには、イエスの深い愛と、静かな奇跡が描かれています。悲しみに包まれた姉妹の涙、イエスの共感と祈り、そして死を越えて響く「ラザロよ、出てきなさい」の声。この物語を一つひとつの場面に分けて、心をこめてやさしくたどってみましょう。読むあなたの心にも、主のいのちの息吹が届きますように。


「死んだラザロを生かす」ヨハネ11:1-44

マリヤとマルタの兄ラザロが病に倒れ、イエスに助けを求める使いが送られます。イエスは「この病は死で終わらない」と語られますが、すぐには行かず、ラザロは死にます。ベタニヤに到着したイエスは、マルタとマリヤの信仰と涙に出会い、ご自身も涙を流されます。そして墓の前で祈り、「ラザロよ、出てきなさい」と命じられたとき、死んでいたラザロがよみがえり、歩いて出てきたのです。


「イエスを殺すたくらみ」ヨハネ11:45-53

ラザロの奇跡を目の当たりにした多くの人々がイエスを信じました。しかし、それを見た宗教指導者たちは危機感を強め、イエスを殺す相談を始めます。大祭司カヤパは、「ひとりの人が死んで国民を救う」と語りますが、無意識のうちに、イエスの贖いの死を預言していました。


「エフライムに退く」ヨハネ11:54

人々の殺意を避け、イエスは弟子たちとともに静かな場所エフライムへ退かれます。神の時が来るまで、イエスはまだご自身を現されませんでした。


🌼 こどもたちへのメッセージ

イエスさまは、なかない人といっしょにないてくださる、やさしいおかたです。そして、どんなにこわいことがあっても、「いのち」をあたえてくださる しんじつのおかたです。あなたがさびしいときも、イエスさまは ちかくにいて、きいてくださいます。


🎚️ 弟子の告白

主よ、私は弱く、恐れや疑いを持つことがあります。でも、あなたが「いのち」であり「よみがえり」であると信じます。あなたの涙が、私の心の痛みに寄り添ってくださることを知っています。私はあなたに従いたいです。たとえ理解できなくても、あなたとともに歩む道を選びます。


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
死んだラザロをよみがえらせるイエスの姿と、それを見つめる人々の様子を描いた6枚の挿絵。

【キャプション】
「ラザロよ、出てきなさい」――死を越えて語られるいのちの声が、静けさの中に響きます。

📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/


🎨 らけるまの創作メモ|『死んだラザロを生かす』を描こうとした日

この6枚の原画を描くとき、私は「涙」と「沈黙」を大切にしました。イエスが涙を流されたこと、それがどれほど深い共感であったかを想いながら、ひとつひとつの表情を丁寧に描きました。死という現実の前で、何もできない私たち。でも、そこに「いのち」が届く。そんな希望の瞬間を、やさしい線と色で表現したいと思いました。


📝 この記事のまとめ

  • ラザロの死と復活の物語は、私たちに希望を与える
  • イエスは涙を流し、私たちの痛みに共感される方
  • 奇跡の後に起こった陰謀も、神のご計画の一部だった
  • 「いのちであり、よみがえりである」イエスのことばは、今も生きている
  • 弱さの中にあっても信じる心を持つことの大切さ

🕊️ 結びの祈り

主イエスさま、あなたが涙を流されたように、私たちの涙も見ていてくださることに、心から感謝します。失う悲しみの中にも、あなたが共にいてくださる希望を感じられるように、私たちの心を開いてください。読んでくださったすべての方に、慰めと平安が豊かにありますように。アーメン。


🔔 次回の予告

次回は、「エルサレムに向かう最後の旅」――ルカの福音書17章11〜18章14では、イエスが向かわれる十字架への道を、弟子たちとともにたどります。


📖この記事に関連する御言葉をもっと深く

イエスさまの御業やことばを、心静かにたどってみたい方へ。
テーマごとにまとめたカテゴリをご案内します。
きっと、あなたの今の歩みに寄り添う光が見つかりますように――

↓こちらからどうぞ:

🌱 癒し|病と心の回復
🌊 奇蹟|自然を超えた行い
🕊️ 赦しと解放|罪と重荷の自由
📖 教えとたとえ話
👣 応答する人々
🛤️ イエス様の足跡をたどる旅|福音書に導かれる7つのステージ

コメント

タイトルとURLをコピーしました