良い知らせを伝える人――ルカの福音書10章より

イエスが72人の弟子たちを町や村へ派遣する様子を描いたイラスト。群衆の中に立つイエスと弟子たちが、平和のことばを伝えるために送り出される場面。中央に「七十二人の派遣 ルカの信音書10:1–24」と大きく書かれている。 教えとたとえ話|心に届くことば

🌱はじめに
イエスさまは、ひとりで歩まれるのではなく、弟子たちとともに福音を伝える道を選ばれました。
ルカの福音書10章には、「伝える」「聞く」「見る」「愛する」――そんな信仰の歩みの基本が、あたたかく力強く描かれています。
この物語にふれながら、わたしたちも「となり人」としての使命を見つめてみましょう。


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📝この記事を読むとわかること

  • ルカの福音書10章の全体の流れ
  • イエスが語られた「良いサマリヤ人のたとえ」の意味
  • 弟子たちの喜びと、主の喜びの違い
  • 「となり人」として歩む信仰のあり方

📖 この箇所の文脈|弟子たちの派遣と応答

ルカの福音書10章は、イエスが72人の弟子を遣わす場面から始まります。
彼らは町や村に平和を告げるために送り出され、その旅を通して、神の国がどのように人々に近づいているかを体験します。
その道のりの中で、拒絶されること、受け入れられること、喜び、問いかけ、そして愛することの本質が、順を追って語られます。

🖼️ 原画:『良い知らせを伝える人びと』(らけるま作)

イエスが弟子たち七十人を町や村に派遣する様子。群衆の前に立つイエスと弟子たちが、喜びと決意に満ちた表情で描かれている。
ルカの福音書10章8〜20節に基づき、町での受け入れと拒絶について語るイエスの教え、そして喜びに満ちて帰ってきた七十二人の弟子たちの報告が描かれている。
ルカの福音書10章21〜26節に基づく場面。イエスが父なる神を賛美し、続いて律法の専門家と対話する様子が描かれている。イエスは柔らかなまなざしで、問いかけるように律法学者に語りかけている。
ルカの福音書10章27〜37節に基づき、「良いサマリヤ人のたとえ」が描かれている。傷ついた旅人を助けるサマリヤ人、旅の場面、宿屋でのやりとりなど、物語の重要な場面が丁寧に表現されている。

🪷やさしい解説

1.「七十二人を町や村に派遣する」ルカ10・1-12

イエスは、72人を二人ずつ遣わして、福音を先に告げる役目を与えられました。
その姿はまるで、実りの時を迎えた畑に働き手を送り出す農夫のようです。
「平安がありますように」と告げること、それこそが弟子たちの使命でした。


2.「不信仰なガリラヤの町々を責める」ルカ10・13-16

イエスは、みことばを受け入れない町々に向かって、深い悲しみをもって語られます。
奇跡を見ても悔い改めない心。それは、神のあわれみを遠ざけてしまうこと。
でも同時に、弟子たちには「あなたがたを聞く者は、わたしを聞くのだ」という尊い委ねも示されます。


3.「七十二人の帰還」ルカ10・17-20

遣わされた72人は、驚きと喜びに満ちて戻ってきました。
「主よ、あなたの御名を使うと、悪霊さえも従います!」
けれどイエスは、「あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい」と言われました。
真の喜びは、奇跡ではなく、神との関係にあるのです。


4.「父なる神への賛美」ルカ10・21-24

イエスは、幼子のように神を信じる者に、ご自身の心を喜びであふれさせながら語られます。
「父よ、これはみこころにかなったことです」
神の真理は、単純な信頼のうちにあると、イエスは賛美の祈りをもって示されました。


5.「律法の専門家の質問」10・25-28

ある律法学者が、永遠のいのちについて問います。
「律法には何と書いてあるか。あなたはどう読むか」――イエスは答えを与えるのではなく、相手自身の気づきを促すように問いかけられます。
神を愛し、となり人を愛する。すでに答えは心に与えられているのです。


6.「良いサマリヤ人のたとえ」10・29-37

律法学者が「わたしの隣人とは誰ですか」とたずねたとき、イエスは一つの物語を語られました。
助けを必要としている人に出会ったとき、立場や宗教ではなく、「憐れみの心」で動く人こそが隣人であると。
「行って、あなたも同じようにしなさい」――この言葉は、今もわたしたちに語られています。


🌼こどもたちへのメッセージ

イエスさまは、こまっている人をたすけるサマリヤ人のはなしをしてくれました。
わたしたちも、まわりの人にやさしくして、イエスさまのようなこころで歩んでいこうね。


🎚️ 信仰のことば

「あなたの名が天に書き記されていることを喜びなさい」
――ルカの福音書10章20節


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
イエスが弟子たちを派遣し、人々を教え、良いサマリヤ人のたとえを語る様子を描いた連作。旅立ち、喜び、問いかけ、助け合いの場面が温かく表現されている。

【キャプション】
弟子たちはイエスに遣わされ、町々で福音を伝えました。ある人は耳を傾け、ある人は背を向けたけれど、イエスのまなざしは常に「隣人」としての愛に向けられていました。

📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/


🎨 らけるまの創作メモ|隣人を描こうとした日

この連作を描くとき、わたしの心にあったのは、「だれが隣人か」というイエスの問いでした。
信仰を知識として学ぶだけでなく、実際に目の前の人に寄り添えるか――それを自分にも問いながら描きました。
サマリヤ人のように静かに憐れみを持って歩む姿を、色とかたちで伝えたかったのです。


📝この記事のまとめ

  • 72人の派遣は、平和を運ぶ使命であった
  • イエスは信仰の本質を、幼子のような心とされた
  • 良いサマリヤ人のたとえは、愛の行いが隣人を示すことを教えている
  • 信仰とは、神を愛し、隣人を愛する歩みである

🕊️ 結びの祈り

主よ、あなたが遣わされた弟子たちのように、わたしたちもあなたの平和を運ぶ者であれますように。
自分の正しさにとらわれず、困っている人に手を差し伸べるサマリヤ人のような心を、どうか日々の中に育んでください。
あなたのまなざしが向いている人びとを、わたしも見つめることができますように。


🔔 次回の予告

次回は、「マルタとマリヤのもてなし」ルカの福音書10章38-42をあたたかく見つめてまいります。


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