弟子となるための条件と心得|ルカの福音書14章25‑35

エスが群衆と向き合って立つ場面。イエスの周囲には真剣なまなざしを向ける弟子たちと、背景いっぱいに多様な表情をした人々が描かれている。右側に「弟子となるための条件と心得」という縦書きの文字が配置されている。 教えとたとえ話|心に届くことば

🌱 はじめに
あなたを導く光として、イエス・キリストは、ただ「ついて来なさい」と呼びかけられました。
この「ついて行く」という歩みには、何もかも手放し、全てを委ねる覚悟が求められます。
本記事では、ルカの福音書14章25節から35節に記されているイエスの言葉に耳を澄ませ、私たちが弟子として歩む道を静かに振り返りたいと思います。



📝 この記事を読むとわかること:

  • イエスが「弟子となる者」に求めておられる心構えとは何か
  • なぜ「すべてを捨てる」ことが弟子の歩みに関わるのか
  • 「塩のたとえ」の意味と、私たちの信仰生活への示唆
  • 子どもたちへのメッセージとして今日からできること
  • 私自身が「イエスの弟子」としてどう語り、どう歩むかの告白

📖 この箇所の文脈|ルカ14章25‑35節

この場面の直前――ルカ14章の前半では、イエスがあるパリサイ人の家で安息日に食事をしている様子が描かれています(14:1)。
その食事の席でイエスは、病を癒すことの意味、へりくだることの大切さ、そして「神の国の宴会」について語られました。

特に14:15-24の「大宴会のたとえ」は重要です。
ある人が大きな宴会を開いたが、招かれた人々は「畑を買った」「牛を試す」「妻を迎えた」などの理由で皆ことごとく断ったため、主人は貧しい人々や障がいのある人、さらには町の外の者たちまでも招くという内容です。

このたとえによってイエスは、神の国の招きに対して「自分の都合を優先して応じない者」よりも、心開かれた人々こそが真に招かれることを示しました。

そしてその直後、14:25に入ると舞台は家から外へ移り、大勢の群衆がイエスについて行く様子になります。
そこでイエスは、ただ「ついて来る」だけでは足りず、「すべてを捨てて従う覚悟」がなければ弟子にはなれないと語られます。

このように、神の国の招きへの応答という流れから、その招きを受けた者がどのような姿勢で応えていくべきか、という教えへと続いているのです。


🖼️ 原画:『弟子となるための条件と心得』(らけるま作)

イエスが多くの群衆に向かって語りかけている場面。群衆の中には様々な表情の人々が描かれ、イエスのそばには数名の弟子が立っている。背景には「弟子となるための条件と心得」(ルカ14:25–35)の聖書本文が縦書きで配置されている。
「わたしの弟子となるには」——イエスの言葉に耳を傾ける群衆の姿 ルカの福音書14章に記されている、イエスが弟子となる者に求める覚悟と心構えの言葉を、群衆と向き合うイエスの姿とともに描きました。愛と信仰の道に進む私たち一人ひとりへの問いかけでもあります。

🪷 やさしい解説

1. 「弟子となるための条件と心得」ルカ14:25‑33

この箇所では、イエスが「わたしの弟子」となるために必要な心の姿を率直に語られています。
「父や母…命までも捨てなければならない」という言葉は、聞くと驚くほど強い表現です。ですが、これは文字どおり家族や命を憎むという意味ではなく、イエスに対する従順が、他のすべての関係や自己よりも上位にあることを示すための言葉です。
自分の十字架を背負うとは、自分の思いや都合、自分中心の人生を捨てて、イエスの歩みに身をゆだねること。
家を建てる者・戦いに臨む王のたとえは、信仰の旅も「なんとなく始める」のではなく、「これは覚悟と責任を伴う歩みだ」と認識して進むべきであることを教えています。
その意味で、私たちが「イエスに従う」ことは、人生の一部としてではなく、人生そのものの方向性を決定する選択です。
この「捨てる・従う」の呼びかけに、私たちは静かに耳を傾け、心の深いところで答えることが求められています。

2. 「味のない塩は役に立たない」ルカ14:34‑35

ここでは、塩という身近な物を用いて、弟子としての生き方のあり方を示されています。塩は本来「味を加え、腐敗から守る」力を持ちます。ところが、その性質を失えば、肥料にもならず、捨てられてしまう。
このたとえは、私たちの信仰が「見えるかたち」でイエスにあっているかどうかを問うものです。つまり、ただ「クリスチャンです」と言うだけでなく、生活と心に塩(=キリストの香り・味わい・保存力)があるか、という問いです。
塩が味を失うとは、周囲にキリストの愛や平和、誠実さを映さなくなってしまう、ということかもしれません。
ですから、この言葉は私たちが「何となくクリスチャン」で終わらず、「キリストにあって生きる者として他と違う光を放つ」者であるようにと促しています。


🌼 こどもたちへのメッセージ

イエスさまは「ぼくたち/わたしたち」と一緒に歩くことを願っておられます。けれども、ただイエスさまのそばにいるだけでなく、「イエスさまを第一にすること」が大事です。
それは、お友だちや家族、大好きなものを「全部やめなきゃいけない」というわけではありません。でも、イエスさまが「いちばん大切な方」であるかという問いに、心の中で「はい」と言うことが必要です。
また、みんなが「塩」のように、周りに優しさや喜び、助け合いの味を出せる人になるよう、毎日ちいさなことから「塩の味」を出していきましょう。例えば、お友だちに「ありがとう」と言う、そっと手を差し伸べる、笑顔で「どうぞ」と言う。
イエスさまについていくって、そんなことを毎日の中で選び続けることです。あなたがその一歩を踏み出すたびに、イエスさまは一緒に歩んでくださいます。


🎚️ 弟子の告白

主イエス・キリスト、私は、あなたのもとに立たせてくださったことを心から感謝します。
完璧でない自分、弱さを抱えた私ですが、あなたの弟子となるために、あなたのみ前に身をゆだねたいと願います。
家族も、夢も、日々の思いも、あなたの御手に委ねます。どうか、私の歩みをあなたの御国の希望に結びつけてください。
あなたの光を放つ塩として、この世界に少しでも愛と平和の味を加える者として、今日一日をあなたとともに歩みます。
アーメン。


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
「イエスが群衆の前に立ち、『弟子となるには』と語りかける中、大勢の人々の顔がこちらを向いている。彼らの表情には期待と緊張、決意が混ざっていて、背景には縦書きの聖句『弟子となるための条件と心得 ルカ14:25‑35』が記されている。」
【キャプション】
『宮きよめの祭り』——イエスの呼びかけに応え、群衆が集うその瞬間を描いた1枚。弟子として招かれた私たち一人ひとりに、今も変わらず響く「ついて来なさい」の言葉です。


🎨 らけるまの創作メモ|ある日の想い

この絵を描こうと思った日、私は「弟子になるって、どういうことだろう」と心の中で問いかけていました。
ただ信じるだけではなく、何かを「捨てる」こと、自分を「明け渡す」こと――それは正直なところ、とても難しく、怖くもある選択です。

でも、イエスさまは私たちを脅したり、無理やり引き込もうとはされません。
「ついて来なさい」と、まっすぐなまなざしで、静かに語られるのです。
そのお姿を思い浮かべながら、絵の中のイエスさまを描きました。

群衆の中には、疑いや不安、迷い、希望、決意…いろんな思いが表情ににじんでいます。
それは、私自身の心でもあります。
それでも、弟子となる道を歩もうとする人々の顔には、どこか光が差し込んでいるようにも感じました。

この絵が、あなたにとって「私もついていきたい」と静かに思えるきっかけになりますように。
イエスさまは今も、やさしくあなたの名を呼んでおられます。


📝 この記事のまとめ

  • イエスは「わたしを第一とする」覚悟を持つ者を弟子と呼ばれます(ルカ14:25‑33)
  • 弟子となる歩みは、自己の人生を捨てて、イエスの十字架を背負うことです
  • 「塩のたとえ」は、私たちの信仰がただの言葉や形式で終わらず、実際の生活で味を出しているかを問います(ルカ14:34‑35)
  • 子どもたちも、日々の「ありがとう」「助け合い」「笑顔」で塩のように味を加えることができます
  • 弱さを抱える私自身も、イエスの弟子としてあなたとともに、御国の希望に向かって歩み続けたいと思います

🕊️ 結びの祈り

慈しみ深い天のお父さま、
私たちをあなたのもとに呼び、弟子としてくださいましてありがとうございます。
完璧ではなく、弱さを抱えている私たちですが、あなたの声に「はい」と答え、あなたの道を歩ませてください。
どうか私たちの歩みがあなたの御国の光となり、塩となり、周囲に恵みと平和をもたらしますように。
今日一日、あなたの御手に守られ、あなたの御名にあって力を得て歩みます。
アーメン。


🔔 次回の予告

次回は、「神は悔い改めた者を喜ばれる」―ルカの福音書15章1‑32節、イエス様のたとえ話を一緒に読みましょう。


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