復讐ではなく、ゆるしと愛へ|山上の説教に学ぶイエスの教え

青空の下、イエスが山の上で群衆に語りかける様子。色とりどりの衣をまとった人々が座り、中央に立つイエスは両手を広げてやさしい表情で教えている。左上に「山上の説教」、中央に「8.復讐について」と黄色の文字が配置されている。 教えとたとえ話|心に届くことば

🌱はじめに

「目には目を、歯には歯を」――
このことばは、正義の名のもとに語られてきた復讐の原則でした。
けれどもイエスさまは、それに真っ向から異なる道を示されました。

「悪人に手向かうな。右の頬を打たれたら、左の頬をも向けなさい」
この教えは、理屈ではなく、心の深いところに語りかけてきます。

今回は、復讐の思いから解放されていく道――
その痛みと癒しの歩みを、やさしくたどってみましょう。


📝この記事を読むとわかること

  • イエスさまが語られた「復讐しない愛」の意味
  • 心に満ちる怒りや殺気と、どう向き合うか
  • 相手をゆるすことと、自分の魂を守ることはつながっている

🖼️ 原画:『山上で教え始める(復讐について)』(らけるま作)

復讐について教えるイエスと、それを聞く群衆。山上での穏やかな場面。
復讐の思いから解き放たれ、ゆるしと平和を選ぶ道へ――。 イエスさまは怒りを静め、わたしたちの魂に光を注いでくださいます。

🪷やさしい解説

イエスさまは、「仕返ししたい」「やり返したい」と思う私たちの心に、
とても静かで、でも確かな道を示されました。

それは、「復讐しない」こと。
自分を守るために怒りを持ち続けるのではなく、
神さまにゆだねて、自分の心を殺気から守ること。

あなたが誰かから傷つけられたとき、
「右の頬を打たれたら、左の頬をも向けなさい」という教えは、
決して無理に耐えろということではありません。
それは、「あなたの魂を、怒りに支配されないで守ってほしい」という、
イエスさまからの深い願いなのです。

実際に復讐したいほどの怒りに襲われたあなたの心。
その重さと孤独の中で、イエスさまのことばは灯のようにともされていきます。
「仕返ししないこと」は、相手のためであると同時に、
あなた自身を生かす選択でもあるのです。

🌼 こどもたちへ

だれかにひどいことをされて、「やりかえしたい!」って思ったことあるかな?
イエスさまは、「にくしみをそのままにしないでね」って言ってるよ。
すぐにゆるせなくても、にくしみをイエスさまにあずけて、
「この人のこと、おいのりします」って言えたら、それだけですごいことだよ。
イエスさまは、そんなきみの心をとってもたいせつに思ってくれてるよ。


🎚️ 信仰のことば

「悪人に手向かうな。右の頬を打たれたら、左の頬をも向けなさい。」
――マタイによる福音書 5章39節(口語訳)

怒りの火を抱いたままでは、自分が焼けてしまう。
でもその火を手放し、神さまにゆだねるとき、
わたしたちの心に平安が戻ってくるのです。


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
復讐について教えるイエスと、それを聞く群衆。山上での穏やかな場面。

【キャプション】
復讐の思いから解き放たれ、ゆるしと平和を選ぶ道へ――。
イエスさまは怒りを静め、わたしたちの魂に光を注いでくださいます。

📌原画には、パブリックドメイン口語訳入っています。


🎨 らけるまの創作メモ|殺気に満ちていた心が癒された日

この原画を描いていたとき、私はある人のことを強く恨んでいました。
傷つけられ、誤解され、言い返したかった。でもそれができなかったことで、
心の中は復讐の想いでいっぱいになっていきました。

「あの人さえいなければ」
そんな思いがふくらみ、自分さえも消えたくなった――
それほどまでに、怒りは私の心を支配していました。

けれどもイエスさまの「復讐してはならない」という言葉にふれたとき、
その怒りがふっと静かになっていくのを感じました。

ゆるすことは簡単ではありません。
でも、怒りを持ち続けることのほうが、自分を壊してしまうと知ったのです。
描きながら私は、怒りの中から少しずつ出ていき、
「それでも、愛を選びたい」という祈りへと変えられていきました。


📝この記事のまとめ

  • イエスさまは復讐を否定し、ゆるしと愛を教えられた
  • 怒りを持ち続けることは、自分の魂を傷つける
  • ゆるすことは、相手だけでなく自分自身のためでもある
  • 神さまは、復讐の思いからも私たちを解放してくださる

🕊️ 結びの祈り

主イエスさま、
わたしたちの心にある復讐の思い、怒り、憎しみ――
そのすべてをご存じのあなたに、今それを差し出します。

「仕返ししたい」「やり返したい」
そんな思いに捕らわれていた日々から、
どうかあなたの光でわたしたちを解き放ってください。

右の頬を打たれたときに、もう片方を向ける勇気を、
それができない日には、黙ってあなたにゆだねる力を、
主よ、わたしたちにお与えください。

怒りの炎ではなく、あなたの愛と平安に生きる者とならせてください。
今日も、わたしたちの心に静けさと赦しの種をまいてくださいますように。

主イエス・キリストのお名前によって祈ります。
アーメン。


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