🌱 はじめに
主イエスが十字架に向かう前夜、その静かな夜に、天を仰いで祈られた祈りがあります。それは、ご自身のために、弟子たちのために、そして将来信じるすべての人のために捧げられた祈り――「大祭司の祈り」として知られるこの場面は、神の愛と救いの計画が深く現れる瞬間です。
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前回の記事「ゲッセマネ途上での説教」はこちらからご覧いただけます
📝 この記事を読むとわかること
- 「大祭司の祈り」の流れと構造
- イエス様が誰のために祈られたのか
- この祈りが今を生きる私たちにどう届くのか
📖 この箇所の文脈|愛に満ちた夜の祈り
前回は、主の晩餐の後、2階の部屋で語られたイエス様の教え、そしてゲッセマネへ向かう途中での説教について学びました。今日の箇所、ヨハネ17章では、その流れの中で、イエス様が目を天に向けて祈られた「大祭司の祈り」が記されています。ご自身の栄光と御父との交わりの回復を願い、弟子たちが世にあって守られるように、また、信じる者たちが一つとなるように――この祈りは、まさにイエス様の心の深みに触れる場面です。
🖼️ 原画:『大祭司の祈り』(らけるま作)

🪷 やさしい解説
ヨハネの福音書17章1節から26節は、前の14章から16章で語られた「別れの説教」の結論であり、クライマックスです。
これは、イエス様がご自身と弟子たち、そして将来の信者(私たち)のために父なる神にささげた、「大祭司の祈り」として知られています。この祈りは、イエス様が十字架の苦しみに向かう前に、弟子たちに残した最高の遺産であり、その内容は非常に力強いものです。
🙏 ヨハネの福音書 17章: 大祭司の祈り
この祈りは、祈りの対象によって大きく3つの部分に分けられます。
※聖句はパブリックドメインの口語訳聖書を引用しています。
https://j-bible.jimdofree.com/
1. 🌟 ご自身の栄光のための祈り(17:1-5)
17:1 これらのことを語り終えると、イエスは天を見あげて言われた、「父よ、時がきました。あなたの子があなたの栄光をあらわすように、子の栄光をあらわして下さい。
17:2 あなたは、子に賜わったすべての者に、永遠の命を授けさせるため、万民を支配する権威を子にお与えになったのですから。
17:3 永遠の命とは、唯一の、まことの神でいますあなたと、また、あなたがつかわされたイエス・キリストとを知ることであります。
17:4 わたしは、わたしにさせるためにお授けになったわざをなし遂げて、地上であなたの栄光をあらわしました。
17:5 父よ、世が造られる前に、わたしがみそばで持っていた栄光で、今み前にわたしを輝かせて下さい。
イエス様はまず、ご自身の身に起こる事柄について父に祈ります。
- 時が来た: イエス様は、受難(十字架)と復活によって、父なる神の栄光を現す時が来たことを宣言します。
- 永遠の命の定義: 永遠の命とは、「唯一の、まことの神でいますあなたと、また、あなたがつかわされたイエス・キリストとを知ることであります」であると定義されます(3節)。これは、単なる時間の長さではなく、神との親密な関係そのものを指します。
- 栄光の回復: イエス様は、地上での使命を「成し遂げた」と宣言し、世の始まる前に父と共に持っていた栄光を回復させてほしいと願います。
2. 🐑 弟子たちのための祈り(17:6-19)
17:6 わたしは、あなたが世から選んでわたしに賜わった人々に、み名をあらわしました。彼らはあなたのものでありましたが、わたしに下さいました。そして、彼らはあなたの言葉を守りました。
17:7 いま彼らは、わたしに賜わったものはすべて、あなたから出たものであることを知りました。
17:8 なぜなら、わたしはあなたからいただいた言葉を彼らに与え、そして彼らはそれを受け、わたしがあなたから出たものであることをほんとうに知り、また、あなたがわたしをつかわされたことを信じるに至ったからです。
17:9 わたしは彼らのためにお願いします。わたしがお願いするのは、この世のためにではなく、あなたがわたしに賜わった者たちのためです。彼らはあなたのものなのです。
17:10 わたしのものは皆あなたのもの、あなたのものはわたしのものです。そして、わたしは彼らによって栄光を受けました。
17:11 わたしはもうこの世にはいなくなりますが、彼らはこの世に残っており、わたしはみもとに参ります。聖なる父よ、わたしに賜わった御名によって彼らを守って下さい。それはわたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためであります。
17:12 わたしが彼らと一緒にいた間は、あなたからいただいた御名によって彼らを守り、また保護してまいりました。彼らのうち、だれも滅びず、ただ滅びの子だけが滅びました。それは聖書が成就するためでした。
17:13 今わたしはみもとに参ります。そして世にいる間にこれらのことを語るのは、わたしの喜びが彼らのうちに満ちあふれるためであります。
17:14 わたしは彼らに御言を与えましたが、世は彼らを憎みました。わたしが世のものでないように、彼らも世のものではないからです。
17:15 わたしがお願いするのは、彼らを世から取り去ることではなく、彼らを悪しき者から守って下さることであります。
17:16 わたしが世のものでないように、彼らも世のものではありません。
17:17 真理によって彼らを聖別して下さい。あなたの御言は真理であります。
17:18 あなたがわたしを世につかわされたように、わたしも彼らを世につかわしました。
17:19 また彼らが真理によって聖別されるように、彼らのためわたし自身を聖別いたします。
イエス様は、地上に残していく11人の弟子たちのために、具体的かつ切実に執り成します。
- 報告と証言: 弟子たちは、父なる神からイエス様に与えられ、イエス様の言葉を守った忠実な者たちだと報告します。
- 守りの祈り: イエス様は、彼らを「世から取り去ること」ではなく、「悪い者(悪魔)から守ってほしい」と祈ります。弟子たちには、世にあって果たすべき使命があるからです。
- 聖別(清める)の祈り: 「真理によって彼らを聖別して下さい。あなたの御言は真理であります」(17節)。彼らが世にあって、真理の御言葉によって神のために分けられ、献げられた存在となるように祈っています。
3. 🕊️ すべての信者(私たち)のための祈り(17:20-26)
17:20 わたしは彼らのためばかりではなく、彼らの言葉を聞いてわたしを信じている人々のためにも、お願いいたします。
17:21 父よ、それは、あなたがわたしのうちにおられ、わたしがあなたのうちにいるように、みんなの者が一つとなるためであります。すなわち、彼らをもわたしたちのうちにおらせるためであり、それによって、あなたがわたしをおつかわしになったことを、世が信じるようになるためであります。
17:22 わたしは、あなたからいただいた栄光を彼らにも与えました。それは、わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためであります。
17:23 わたしが彼らにおり、あなたがわたしにいますのは、彼らが完全に一つとなるためであり、また、あなたがわたしをつかわし、わたしを愛されたように、彼らをお愛しになったことを、世が知るためであります。
17:24 父よ、あなたがわたしに賜わった人々が、わたしのいる所に一緒にいるようにして下さい。天地が造られる前からわたしを愛して下さって、わたしに賜わった栄光を、彼らに見させて下さい。
17:25 正しい父よ、この世はあなたを知っていません。しかし、わたしはあなたを知り、また彼らも、あなたがわたしをおつかわしになったことを知っています。
17:26 そしてわたしは彼らに御名を知らせました。またこれからも知らせましょう。それは、あなたがわたしを愛して下さったその愛が彼らのうちにあり、またわたしも彼らのうちにおるためであります」。
祈りの対象は広がり、将来、弟子たちの言葉を通してイエス様を信じるすべての人々へと向けられます。
- 一致の祈り: これが最も重要なテーマの一つです。イエス様は、信者たちが「一つとなる」ようにと強く祈ります。
- 🔑 目的: 「わたしがあなたのうちにいるように、みんなの者が一つとなるためであります。」です(21節)。
- この一致は、三位一体の神様が持つ愛と栄光の交わりを反映するものです。
- 栄光の共有: イエス様は、ご自身が父から受けた栄光を信者にも与えたと述べ、最終的に、ご自身のいる所(天の栄光)に信者たちも共にいることができるようにと願います。
- 愛の成就: 最終目的は、「あなたがわたしを愛して下さったその愛が彼らのうちにあり、またわたしも彼らのうちにおるためであります」だと締めくくられています。
💡 この章の深い意味
この「大祭司の祈り」は、イエス様が私たちのために今も天で続けておられる執り成しの祈りのモデルです。
- 大祭司の役割: 旧約時代、大祭司は年に一度、民の罪の贖いのために神の前に出ましたが、イエス様は完全な大祭司として、ご自身の命を一度ささげ、今は生ける執り成し手として神の右に座しておられます。
- 使命の継続: イエス様は、弟子たちを世から救い出すのではなく、世の真ん中で「聖別」し、世を信じさせるための「一致」を保って使命を果たし続けるように祈りました。
この祈りを読むと、「神様って私たち一人ひとりにこんなに個人的で、具体的な愛情を注いでくださっているんだ…!」と感動しますね。
この祈りは、イエス様が御父との深い絆の中で、愛と真実をもって語られたものです。弟子たちがこの世にあっても神に守られるように、そして、これから信じる者たちが一つとなって神の愛を表すようにと、祈られました。
この祈りは、時を越えて、私たち一人ひとりにも届けられているのです。
🌼 こどもたちへのメッセージ
イエスさまは、わたしたちのことをも祈ってくださいました。ずっと昔のことだけど、そのお祈りは、いまも天のおとうさまに届いていて、イエスさまのやさしいこころが、みんなにそそがれているんだよ。
🎚️ 弟子の告白
主よ、私は弱く、恐れも多い者ですが、それでもあなたの声に従いたいと願っています。あなたが祈ってくださったように、世にあっても心を守られ、真理のうちに歩めますように。御国の希望に生き、愛のしもべとして今日も従っていけますように。
🖼 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
目を閉じて天を仰ぎ、手を合わせて祈るイエス・キリスト。柔らかな光に包まれ、静けさと聖さが漂う大祭司の祈りの場面。
【キャプション】
主イエスは、十字架に向かう前夜、弟子たちと私たちすべてのために、深く、愛に満ちた祈りを捧げられました(ヨハネの福音書17章)。
📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/
🎨 らけるまの創作メモ|祈りの夜を描こうとした日
この絵を描くとき、静かな部屋でキャンドルのような光をイメージしていました。イエス様の顔に浮かぶのは、苦しみへの備えと、弟子たちへの深い愛。そして、御父へのゆるぎない信頼です。静けさの中に、祈りの力が宿るように――その思いを込めました。
📝 この記事のまとめ
- ヨハネ17章は「大祭司の祈り」と呼ばれる特別な祈り
- 祈りは三部構成:ご自身、弟子たち、信じるすべての者のため
- イエス様の祈りは今の私たちにも届いている
- 御父との交わり、愛と一致への招きが込められている
🕊️ 結びの祈り
主よ、あなたが祈ってくださったことを心から感謝します。
私たちが、あなたの愛の中で一つとなり、真理に生きる者とされますように。
弱さの中にもあなたの平安が注がれ、どんなときも御顔を仰ぎ見ることができますように。
この祈りを読むすべての人に、今日もあなたの祝福がありますように。
🔔 次回の予告
次回は、「ゲッセマネでの祈り」マタイの福音書26章36-46節
静けさの中でイエス様が苦しみを祈りに変えていかれた、その瞬間に心を向けます。
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