主の晩餐|受難週の金曜日

イエス・キリストが弟子たちと最後の晩餐を囲み、パンと杯を前に語っている場面。日本語で「主の晩餐|受難週の金曜日」とタイトルが入っている横長イラスト。 教えとたとえ話|心に届くことば

🌱はじめに

受難週の金曜日――それは、静けさの中に深い愛と決意が満ちるとき。イエス・キリストが十字架に向かわれる前の晩、弟子たちと共に囲んだ「主の晩餐」は、ただの食卓ではなく、永遠の約束と仕える愛が語られた神聖なひとときでした。


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👉 前回の記事「過越の食事」はこちらからご覧いただけます


📝この記事を読むとわかること

  • 「主の晩餐」でイエスが語られた深い意味
  • 弟子たちの葛藤とイエスの応答
  • 新しい戒め「互いに愛し合うこと」
  • ペテロの失敗の予告に込められた希望
  • 受難週の流れと祈りの心構え

📖 この箇所の文脈|主の晩餐の前後

前回は受難週の木曜日の晩、イエスと弟子たちが過越の食事を共にする場面を見ました。そこでイエスは弟子の足を洗い、仕えることの大切さを示されました。そして、イスカリオテのユダにサタンが入り、その場を後にした続きが、今回の「主の晩餐」です。十字架を目前にしたイエス様が、愛する弟子たちに何を語られたのか――静かに、その言葉をたどっていきましょう。


🖼️ 原画:『主の晩餐』(らけるま作)

イエス・キリストが弟子たちと共に最後の晩餐を囲み、杯を手に祝福を祈る場面。弟子たちは静かにイエスの言葉に耳を傾けている。
「主の晩餐」の場面。イエスは杯を取り、感謝をささげ、弟子たちに与えながら新しい契約について語られました(マタイ26:27-29)。また、弟子たちの間で誰が偉いか議論が起きたとき、イエスは仕える者こそ偉いのだと教えられました(ルカ22:24-27)。愛とへりくだりに満ちた、この大切な食卓のひととき――それは十字架へと向かう前夜、深い祈りと教えに包まれていました。
イエスが弟子たちに向かって静かに語りかけている場面。愛と仕え合うこと、そして信仰を守るよう励ましながら、互いに愛し合う新しい戒めを伝えている。
イエスは弟子たちに「新しい戒め」を授けられました――「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい」(ヨハネ13:34)。それは、十字架を前にした最後の教えのひとつであり、弟子たちの心に深く刻まれました。またペテロに対しては、信仰がなくならないように祈っていると励まされます(ルカ22:32)。主のまなざしには、厳しさではなく、深い愛と希望が映っています。
イエスがペテロに向かって語りかける場面。ペテロは「死に至るまで従う」と語るが、イエスはその晩のうちに三度知らないと言うだろうと予告している。他の弟子たちも周囲で聞き入っている。
ペテロは「たとえ牢に入っても、死ぬことになっても、イエスと共に行く」と語りました(ルカ22:33)。しかしイエスは静かに、ペテロがその夜、三度ご自分を知らないと言うことを予告されます(ルカ22:34)。弟子たちは深く戸惑いながらも、イエスの言葉を心に受け止めました。やがて賛美の歌を歌った後、イエスと弟子たちはオリーブ山へと歩みを進めます(マタイ26:30)。

🪷やさしい解説

この夜、イエス様が弟子たちと囲んだ食卓は、ただの記念ではありませんでした。
愛と赦し、そして新しい契約が語られた――主の深い思いが刻まれたひとときです。


「主の晩餐」マタイ26:27-29(マルコ14:23-25、ルカ22:20)

イエスは、パンを裂き、杯を取り、感謝をささげながら弟子たちに差し出しました。
「これは、罪の赦しのために流されるわたしの血――新しい契約のしるしです」。
この言葉には、十字架の死が愛の行為であり、神との関係を回復する約束が込められています。


「だれが一番偉いか」ルカ22:24-30

弟子たちは互いに「だれが一番偉いか」と議論します。
しかしイエスは、「偉い者は仕える者のようでありなさい」と教えました。
神の国では、力よりもへりくだりと奉仕が尊ばれることを示されます。


「新しい戒め」ヨハネ13:31-35

「互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように――」
これはイエスが十字架の前に弟子たちへ託された、新しい生き方の道しるべ。
この愛こそ、弟子であることの証となると語られました。


「ペテロの失敗の予告」ルカ22:31-38(マタイ26:31-35、マルコ14:27-31、ヨハネ13:36-38)

この出来事は、四つの福音書すべてに記されています。それだけ重要で、初代教会に深く印象を与えた場面であることがわかります。

ペテロは「牢に入っても死んでも従う」と言いました。 しかしイエスは、「あなたは今夜、三度わたしを知らないと言う」と予告されます。 それでもイエスは、ペテロの信仰がなくならないように祈っておられました。 失敗の中にも、主のとりなしと回復の希望が光ります。


「賛美(ハレル)を歌う」マタイ26:30(マルコ14:26)

最後の食事の後、イエスと弟子たちは賛美を歌い、オリーブ山へ向かいました。
それはまるで、試練に向かう中で歌われた信仰の応答――
夜の静けさの中に、確かな祈りと賛美が響いていたことでしょう。

「賛美(ハレル)」とは、イエス様と弟子たちが最後の晩餐のあとに歌ったとされるユダヤ教の詩編の一部で、特に詩篇113篇〜118篇を指します。これは「ハレル詩編(Hallel Psalms)」と呼ばれ、ユダヤの祭り(特に過越の祭り)で歌われてきました。


🎵 賛美(ハレル)の内容

「ハレル」という言葉は、ヘブライ語で「ほめたたえる(praise)」を意味し、そこから「ハレルヤ=主をほめたたえよ(Hallelu Yah)」という言葉も生まれています。

主な内容(簡単な要約):

  • 詩篇113篇:主の御名はほめたたえられるべき(神の偉大さ)
  • 詩篇114篇:出エジプトの奇跡(救いの記憶)
  • 詩篇115篇:偶像ではなく、主こそ信頼の対象(信仰の呼びかけ)
  • 詩篇116篇:主の恵みへの感謝と応答(個人的な賛美)
  • 詩篇117篇:すべての国よ、主をほめたたえよ(全世界への招き)
  • 詩篇118篇:「主に感謝せよ、主はまことにいつくしみ深い」(メシア的な予言も含まれる)

🌅 イエス様が歌われた賛美

最後の晩餐の終わりに、「彼らは賛美を歌ってから、オリーブ山へ出かけた」(マタイ26:30)とありますが、これは当時のユダヤ人の習慣に従い、過越の食事の最後にハレル詩編を歌ったことを指していると考えられます。

特に詩篇118篇は、メシア的な意味も強く、以下のような言葉が含まれます:

「家造りらの捨てた石は、隅のかしら石となった。」(詩篇118:22)
「主の御名によって来られる者は祝福される。」(詩篇118:26)

これらの言葉が、イエスの十字架と復活を暗示していると、多くの信仰者に受け止められてきました。


✨心に響くまとめ

イエス様は、十字架の苦しみを目前にしながらも、神への賛美をもってその時を迎えられたのです。それは、恐れではなく、信頼と従順の心で歩まれたしるしでもあります。

この賛美は、わたしたちにとっても、「どんなときにも主をほめたたえる心」を思い起こさせる、大切な霊的遺産です🕊️


🌼こどもたちへのメッセージ

イエスさまは、ごじぶんがとてもくるしいめにあう前のよる、
おともだち(弟子たち)といっしょに、ごはんをたべました。
そのとき「たがいにあいしあいなさい」と、たいせつなおしえをのこしてくれました。
イエスさまのように、やさしいこころをもって、みんなをたいせつにしましょうね。


🎚️ 弟子の告白

主よ、わたしは時に弱く、あなたを知らないかのようにふるまってしまう者です。
けれど、あなたがとりなしていてくださると信じます。
へりくだる心、仕える心をもって、御国を目指して歩む者としてください。


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
イエス・キリストが弟子たちと共に最後の晩餐を囲み、杯を手に祝福を祈る場面。弟子たちは静かにイエスの言葉に耳を傾けている。

【キャプション】
「主の晩餐」の場面。イエスは杯を取り、感謝をささげ、弟子たちに与えながら新しい契約について語られました(マタイ26:27-29)。

📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/


🎨 らけるまの創作メモ|受難週の金曜日を描こうとした日

「主の晩餐」の場面は、描くほどに心が静まり、イエス様の深い愛が心に満ちていきました。
食卓を囲む弟子たちの視線や表情のひとつひとつに、戸惑い、誓い、愛が混ざっているように感じて。
その夜に交わされた言葉が、今を生きる私たちの支えとなりますように――そんな祈りをこめて描きました。


📝この記事のまとめ

  • 「主の晩餐」は新しい契約のしるし
  • イエスは仕える心の大切さを教えられた
  • 弟子たちに「互いに愛し合う」戒めを与えられた
  • ペテロには失敗の中の希望を語られた
  • 賛美の歌と共に十字架への道を歩まれた

🕊️ 結びの祈り

愛する主よ、あなたが十字架を前にしてもなお、弟子たちに愛と希望を語られたことを思います。
わたしたちもまた、弱く失敗する存在ですが、あなたのとりなしと愛に支えられています。
どうか、今日もわたしたちの心に仕える心を育んでください。
恐れよりも信頼を、争いよりも愛を選べますように。
読んでくださった一人ひとりの上に、あなたの平和と恵みがありますように。
アーメン。


🔔 次回の予告

次回は「二階部屋での説教」――ヨハネ14章を通して、イエス様が弟子たちに残された慰めと希望の言葉を見ていきましょう。


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