バプテスマのヨハネの死|静かに語られる真理といのちの尊さ

バプテスマのヨハネの死を描いたアイキャッチ画像。中央に「バプテスマのヨハネの死 静かに語られる真理といのちの尊さ」という日本語タイトルが配置され、左右にはヘロデ王、ヘロデヤ、サロメが登場し、盆に載せられたヨハネの首が描かれている。 赦しと解放|罪と重荷の自由

🌱はじめに

ある日、神の真理を語り続けた預言者バプテスマのヨハネは、王の一言によって命を絶たれました。
この出来事は、恐れや欲望が人の心をどのように支配するのか、そして真理の声がどれほど大切なものかを静かに教えてくれます。
今回は、マルコによる福音書6章14〜29節の物語をもとに、原画とともにヨハネの最期に耳を傾けてみましょう。


📝この記事を読むとわかること

  • ヘロデ王とバプテスマのヨハネの関係
  • 罪の連鎖とその結末
  • 神の真理に生きた預言者の姿
  • 子どもにも伝えたい、いのちの大切さと信仰のまなざし

🖼️ 原画:『バプテスマのヨハネの死』(らけるま作)

ヘロデ王と登場人物たちが、マルコ6章14〜29節に記された「バプテスマのヨハネの死」の場面を描いたイラスト。ヨハネの首が盆に載せられて少女から母に手渡される様子が中心に描かれ、左右には人物の対話と聖書の本文が手書きで添えられている。
「バプテスマのヨハネの死」(マルコ6:14–29より)。預言者ヨハネの潔さと、権力の陰に潜む恐れと策略が交錯する物語。小さな踊りが、やがて大きな命の決断を呼び起こしました。――闇の中でも、神の光は消えないことを思い出させてくれる一場面です。

🪷やさしい解説

バプテスマのヨハネは、人々に神の道をまっすぐにするようにと語り続けた預言者でした。
その声は、力ある者たちにも向けられました。

ヨハネが非難したのは、ガリラヤの領主ヘロデ・アンティパスと、彼の妻となったヘロデヤの関係でした。
ヘロデヤはもともと、ヘロデの異母兄ピリポの妻でした。
さらに彼女は、ヘロデの親族でもありました(レビ記に反する結婚)。
ヨハネはそのことを「正しくない」とはっきり告げました。

ヘロデは、ヨハネを恐れながらも彼の言葉に心を動かされていました。
けれども立場を守るため、彼を牢に閉じ込めてしまいます(ルカ3:19-20参照)。
一方、ヘロデヤは、ヨハネの声を完全に消したいと願っていたのです。

そしてある日、ヘロデの誕生日に、悲しいできごとが起こります。
祝宴の中で、ヘロデヤの娘(多くは「サロメ」と呼ばれています)が踊りを披露し、王を喜ばせました。
ヘロデは思わず、「欲しいものは何でも与えよう」と誓ってしまいます。

娘が求めたのは――「バプテスマのヨハネの首」。

それは、母ヘロデヤの思惑による願いでした。
王は誓いを破ることができず、ヨハネはその夜、命を奪われてしまいます。

ヘロデの心には、大きな後悔と不安が残されました。
その後イエスの働きが広まる中で、彼は「ヨハネが生き返ったのではないか」と恐れるようになったと、聖書は語っています。

この物語は、
小さな欲や恐れから、どれほど大きな罪が積み重なっていくのかを静かに問いかけてくれます。
そして、真理の声に耳をふさがず、心をまっすぐに保つことの大切さを、改めて教えてくれるのです。


🌼こどもたちへのメッセージ

ヨハネは「これは正しくないよ」と、勇気をもって王さまに伝えました。
たとえそれが大きな人であっても、まちがったことには「ノー」と言える心を神さまは喜ばれます。
でも、そんなヨハネが殺されてしまったのは、とても悲しいことですね。
このお話を通して、どんなときでも「正しいことをたいせつにする心」をもちつづけられるように、お祈りしましょう。


🎚️ 信仰のことば

「人々に恐れられても、主に従う道を選んだヨハネのように、
わたしたちも、神の真理に生きる者でありたいと願います。」


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】

ヘロデ王と登場人物たちが、マルコ6章14〜29節に記された「バプテスマのヨハネの死」の場面を描いたイラスト。ヨハネの首が盆に載せられて少女から母に手渡される様子が中心に描かれ、左右には人物の対話と聖書の本文が手書きで添えられている。

【キャプション】

「バプテスマのヨハネの死」(マルコ6:14–29より)。
預言者ヨハネの潔さと、権力の陰に潜む恐れと策略が交錯する物語。
小さな踊りが、やがて大きな命の決断を呼び起こしました。
――闇の中でも、神の光は消えないことを思い出させてくれる一場面です。

📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。


🎨 らけるまの創作メモ|真理に生きたひとの静かな最期

この原画を描くとき、心のなかに静かな痛みがありました。
ヨハネの死は突然で、理不尽で、そしてとても重たいものです。
でも同時に、彼のまっすぐな魂が、どこまでも神さまに忠実であったことに深い感動を覚えました。
人の権力や策略によって命が奪われても、神のまなざしの中ではその光が決して消えないことを、
この絵を通して伝えることができたらと願いながら描きました。


📝この記事のまとめ

  • バプテスマのヨハネは、ヘロデとヘロデヤの結婚を非難した
  • ヘロデはヨハネを恐れつつも投獄した
  • ヘロデヤの娘の願いによって、ヨハネは処刑される
  • 権力・恐れ・欲がもたらす罪の連鎖が描かれている
  • 真理を語ることの重みと、神に忠実な生き方の尊さを教えてくれる

🕊️ 結びの祈り

主よ、
バプテスマのヨハネが真理に生き、命をかけてあなたの道を語ったように、
わたしたちも日々、あなたの光の中を歩むことができますように。
この世の価値観に流されず、静かに、しかし確かに、
あなたの御声に従って生きていけるように、どうか導いてください。

この物語に心を痛めた人、恐れの中にある人に、
あなたの慰めと平安が豊かに注がれますように。
アーメン。


🔔 次回の予告

「使徒たちの帰還と五千人に食物を与える」マルコ6:30-44
疲れた弟子たちを迎えるイエスのまなざしと、パンと魚に込められた神のあたたかな奇跡をご一緒に見つめましょう。


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