🌱 はじめに
多くの知恵と哲学が集まる町、アテネ。
人々は熱心に考え、議論し、新しい思想を求めていました。
しかし、その町を歩くパウロの心には、
別の痛みがありました。
神を求めているのに、神を知らない人々の姿です。
アテネでの宣教は、
力強い奇跡よりも、
ことばと対話、そして忍耐によって進められました。
現代を生きる私たちにも深く響く、
知性と信仰が向き合う場面を見ていきましょう。
✨ 使徒の働き ✨
👉
前回の記事「ベレヤでの宣教」はこちらからご覧いただけます
📝 この記事を読むとわかること
- アテネという町の霊的な特徴
- パウロが偶像の町で示した宣教の姿勢
- アレオパゴスで語られたメッセージの中心
- 人々のさまざまな反応
- 現代の私たちへの信仰のヒント
📖 この箇所の文脈
ベレヤを離れたパウロは、
ひとりでアテネに到着しました。
そこは、
哲学者・学者・思想家が集まり、
「新しい話題」を求める文化の中心地でした。
一方で、町には数えきれないほどの偶像が並び、
人々は熱心でありながら、
まことの神を知らずに礼拝していました。
🖼️ 原画:『アテネでの宣教』(らけるま作)


🪷 やさしい解説
◉ 偶像に満ちた町を見て心を痛めたパウロ(17:16)
パウロは、
町中に立ち並ぶ偶像を見て、
心に強い憤りを覚えました。
それは怒りではなく、
神を知らずに生きる人々への深い悲しみでした。
◉ 会堂と広場での対話(17:17–18)
パウロは、
会堂ではユダヤ人と、
広場では日々出会う人々と語り合いました。
相手を論破するためではなく、
聞き、語り、向き合う宣教です。
その姿は、
今の時代の対話にも通じています。
◉ アレオパゴスで語られた「知られない神」(17:19–23)
哲学者たちは、
パウロの語る復活の話に興味を持ち、
彼をアレオパゴスへ連れて行きました。
パウロは、
「知られない神に」と刻まれた祭壇から語り始めます。
相手の文化を否定せず、
そこから神を指し示す知恵がありました。
📌 補足解説:アレオパゴスの意味とは?
アレオパゴス(Areopagos)とは、
アレオパゴス
古代ギリシア・アテネにあった評議の場・裁判と思想討論の中心です。
語源は
- アレス(戦いの神)
- パゴス(丘)
を意味し、
「アレスの丘」とも呼ばれていました。
ここでは、
- 新しい宗教や思想が危険ではないか
- 町の秩序を乱さないか
- 教えとして聞く価値があるか
といったことが、知識人・裁判官・哲学者たちによって慎重に吟味されていました。
✨ なぜパウロはアレオパゴスに立ったのか
パウロがアレオパゴスに招かれたのは、
彼の話が「騒動を起こすから」ではなく、
「知的に検証する価値がある」と判断されたからです。
つまりアレオパゴスは、
✔ 群衆向けの説教台ではなく
✔ 信仰と理性が真正面から向き合う場所
でした。
その場でパウロは、
聖書を知らない人々に向けて、
創造・命・存在・悔い改め・復活という
福音の核心を、文化と言葉を選びながら語ったのです。
🕊️ 信仰へのメッセージ
アレオパゴスでの出来事は、
「信仰は感情だけのものではなく、
考え、問い、確かめる中でも語られる」
ということを教えてくれます。
ベレヤでは「聖書を調べる信仰」、
アテネでは「知性に語りかける信仰」。
どちらも、
神さまが喜ばれる誠実な姿勢なのです。
◉ 創造主であり、近くにおられる神(17:24–28)
パウロは語ります。
神は、
人の手で造られたものではなく、
天地の主であり、
わたしたち一人ひとりに命と息を与える方。
そして、
「神は、わたしたちから遠く離れてはおられない」
と宣言しました。
◉ 復活と人々の反応(17:29–34)
死者の復活が語られると、
反応は分かれました。
- あざける人
- また聞きたいと言う人
- 信じる人
少数でしたが、
確かに信じた人がいました。
神のことばは、
数ではなく、
届いた心の深さによって実を結びます。
🌼 こどもたちへのメッセージ
かしこい人がたくさんいる町でも、
神さまを知らないことがあります。
でもね、
神さまは、
いつもあなたの近くにおられます。
むずかしいことばがわからなくても、
「知りたい」と思う心を、
神さまはよろこばれます。
🌼 こどもにもわかる「アレオパゴス」ってなに?
アレオパゴスは、
アテネの町にあった
「だいじなおはなしを聞いて、考える場所」だよ。
むかしの人たちは、
あたらしい考えや教えが出てくると、
- それは本当にいいことかな?
- みんなをこまらせないかな?
- 聞くいみがあるかな?
と、ちゃんと話を聞いて考えていたんだ。
パウロがアレオパゴスに呼ばれたのは、
えらい人たちが、
「このお話は聞いてみるかちがある」
と思ったからだよ。
そこでパウロは、
むずかしい言葉でせめたりせず、
「神さまは、みんなの近くにおられるよ」
「いのちをくださるお方だよ」
と、やさしく話したんだ。
神さまは、
しつもんしたり、考えたりする心を
よろこばれるお方なんだよ🌱
🎚️ 弟子の告白
主よ、
わたしは、人の考えや知恵に
圧倒されてしまうことがあります。
それでも、
あなたが近くにおられることを信じ、
恐れずに語り、
沈黙すべきときには静まることを教えてください。
数が少なくても、
真実に従う弟子として、
御国の希望を抱いて歩みます。
🖼 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
偶像に満ちたアテネの町で、パウロが人々と対話し、アレオパゴスで天地の創造主と復活の希望を語る様子を描いた原画。
【キャプション】
多くの知恵が集まる町で、パウロは「近くにおられる神」を語った。(使徒17:16–34)
📌 原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/
🎨 らけるまの創作メモ|「考える人々の中で語る福音を描こう」とした日
この原画では、
声を張り上げる宣教ではなく、
考え、問い、耳を傾ける人々の中に立つ
パウロの姿を描きました。
神は、
知性を否定される方ではなく、
その奥にある「真理への渇き」を
ご存じのお方だと感じたからです。
📝 この記事のまとめ
- アテネは知恵と偶像に満ちた町だった
- パウロは対話を大切にした
- 神は人から遠く離れておられない
- 復活のメッセージで反応は分かれた
- 少数でも信じる者が起こされた
🕊️ 結びの祈り
主よ、
あなたを知らずに探し続けている人々に、
どうか光を注いでください。
考える人にも、
迷う人にも、
疲れた心にも、
あなたが近くにおられることが伝わりますように。
わたしたちも、
静かに、誠実に、
あなたを指し示す者としてください。
🔔 次回の予告
次回は、
「コリントでの宣教」|使徒18章16–17節
困難の中で守られる宣教の歩みを見ていきます。
📚関連記事
聖霊が注がれ、福音が広がっていく――『使徒の働き』は、初代教会の誕生と信仰者たちの歩みを描いた物語です。弱さの中にも神さまの力が働くことを、ひとつひとつの記事を通して感じていただけますように。
使徒の働きに関する記事は、👉 こちらからご覧いただけます。


コメント