天の御国はどんなかたち?――マタイ13章のたとえ話から

舟の上からたとえ話を語るイエスと、その話に耳を傾ける多くの人々のイラスト 教えとたとえ話|心に届くことば

🌱はじめに

主イエスは、人々に天の御国について語られるとき、たとえ話を多く用いられました。それは、私たちの目には見えにくい神の国の真理を、身近なたとえを通してわかりやすく伝えるためでした。
マタイ13章には、天の御国の秘密をあらわすたとえがいくつも登場します。宝、真珠、魚をとる網――それぞれに込められた深い愛とまなざしを、一緒に味わってみましょう。


📝この記事を読むとわかること

  • 「畑に隠された宝」や「真珠商人」のたとえが示す神の愛
  • 「地引き網のたとえ」が語る終わりのときの裁き
  • 「一家の主人のたとえ」に見る弟子たちの使命
  • 天の御国の奥義を今に生きる意味

📖 聖書本文(口語訳)マタイ13:44-52

※この聖句はパブリックドメインの口語訳聖書を引用しています。

「畑に隠された宝のたとえ」(マタイ13:44)


44.天国は、畑に隠してある宝のようなものである。人がそれを見つけると隠しておき、喜びのあまり、行って持ち物をみな売りはらい、そしてその畑を買うのである。

🌾「畑に隠された宝のたとえ」のやさしい解説

主イエスは、「天国は畑に隠された宝のようなもの」だと語られました。ある人が偶然その宝を見つけると、それを隠し、持っているものすべてを売ってその畑を買います。

このたとえは、宝がイスラエルを象徴していると考えられています(出エジプト記19:5など参照)。そして畑を買う人――それは主イエスご自身。ご自身の命という大きな代価を払って、愛する民を贖い出してくださったのです。

このたとえは、見えないところに隠されている「神の民としての価値」と、それを見出してくださる神の愛を静かに語っているのです。


「真珠商人のたとえ」(マタイ13:45-46)


45.また天国は、良い真珠を捜している商人のようなものである。
46.高価な真珠一個を見いだすと、行って持ち物をみな売りはらい、そしてこれを買うのである。

💎真珠商人のたとえ」のやさしい解説

天国は、良い真珠を探している商人のようです。商人はひとつの高価な真珠を見つけると、すべてを売ってその真珠を手に入れます。

この「真珠」は、異邦人を表しているとされています。真珠は海の中から得られるもの――聖書では海は異邦人の世界の象徴とされています。主イエスは、イスラエルだけでなく異邦人である私たち一人ひとりも、かけがえのない真珠のように見ておられるのです。

そして、すべてをささげて、私たちを贖い取ってくださった――それほどの愛が、ここにあります。


「地引き網のたとえ」(マタイ13:47-50)

47.また天国は、海におろして、あらゆる種類の魚を囲みいれる網のようなものである。
48.それがいっぱいになると岸に引き上げ、そしてすわって、良いのを器に入れ、悪いのを外へ捨てるのである。
49.世の終りにも、そのとおりになるであろう。すなわち、御使たちがきて、義人のうちから悪人をえり分け、
50.そして炉の火に投げこむであろう。そこでは泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。

🎣「地引き網のたとえ」のやさしい解説

天国は、海におろされて多くの魚をとる地引き網のようだと言われます。網が満ちると岸に引き上げられ、良い魚は器に入れられ、悪い魚は捨てられます。

これは、世の終わりに起こる「選り分け」の象徴です。今は、神を信じる者も信じない者も同じ世界で共に生きていますが、主が再び来られるとき、御使いたちによって厳正な裁きが行われることになります。

しかしこの裁きは、恐れるためではなく、心を整え、主の愛にとどまるための教えでもあります。


「一家の主人のたとえ」(マタイ13:51-52)

51.あなたがたは、これらのことが皆わかったか」。彼らは「わかりました」と答えた。
52.そこで、イエスは彼らに言われた、「それだから、天国のことを学んだ学者は、新しいものと古いものとを、その倉から取り出す一家の主人のようなものである」。

🏡「一家の主人のたとえ」のやさしい解説

これらの話を聞いた弟子たちに、イエスさまは「理解しましたか?」と尋ねられました。そして、天国について学んだ人は、古いものと新しいものを倉から取り出す「一家の主人」のようだと語られます。

神の国は、旧約から続く古い真理と、イエスによって示された新しい恵み、その両方に根ざしています。そして御国の弟子たちは、主によって深い知恵と分別を与えられ、時に応じてふさわしい真理を取り出して、人々に分かち合うことができるようになるのです。


🌼こどもたちへのメッセージ

イエスさまは、みんなに「天の国ってこんなふうだよ」と、お話で教えてくれました。
宝物や真珠、お魚の網のお話は、神さまがどれだけわたしたちを大切に思っているかを教えてくれます。
イエスさまは、君のことを「とってもすてきな宝物」だと思ってくれているんだよ。


🎚️ 信仰のことば

「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」(イザヤ43:4)


📝この記事のまとめ

  • 宝のたとえはイスラエル、真珠のたとえは異邦人を象徴している
  • 主イエスはすべてをささげて私たちを贖ってくださった
  • 地引き網のたとえは世の終わりの裁きを示している
  • 一家の主人のたとえは、天の御国の弟子の使命を示している

🕊️ 結びの祈り

愛する主よ、
あなたが私たちを、隠された宝のように、
高価な真珠のように、大切に思ってくださることを感謝します。
どんなに小さく見える私たちでも、あなたの目には尊い存在です。
どうか、あなたの御国のたとえを心に受け取り、
この地上でも御国の光をあらわす者としてください。

主を愛するすべての読者の上に、あなたの平安と導きをそっと注いでください。
イエスさまのお名前によって祈ります。アーメン。


🔔 次回の予告

次回は、「嵐を静めるイエス」マルコ4:35-41
――恐れの中にも、イエスさまの「静まれ」の声が届くとき、心に平安が訪れます。


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