🌱はじめに
静寂を破るように、天の御使いがラッパを吹き鳴らします。
それは警告ではなく、裁きの始まり――
ヨハネの黙示録に描かれた「第六のラッパ」は、神の義と人の応答が深く対照される場面です。
このビジョンを、原画とともに静かに見つめてみましょう。
📝この記事を読むとわかること
- 黙示録9章における「第六のラッパ」の内容
- 四人の堕天使とその役割
- 神の裁きと、人間の心のかたくなさ
- 子どもにも伝えられる信仰のやさしい語り口
- 原画に込められた祈りと意図
🖼️ 原画:『第六のラッパの裁き』(らけるま作)

🪷やさしい解説
第六の御使いがラッパを吹くと、神の御前にある金の祭壇から声があり、
ユーフラテス川のほとりにつながれていた四人の堕天使が解き放たれます。
彼らは、神によりその時・その日・その月・その年に備えられた存在であり、
人類の三分の一を滅ぼすという大きな裁きのために解き放たれたのです。
第五のラッパでは、一人の堕天使が底知れぬ穴を開け、悪霊のようなイナゴを地に放ちました。
しかしそのときは「苦しめても殺してはならない」とされていました。
けれども第六のラッパでは、殺しの許可を得た四人の堕天使が現れ、はるかに大きな災いをもたらします。
彼らの後ろには、2億にのぼる騎兵隊が控えており、その姿は異様です。
騎兵たちは火の色、紫水晶、硫黄のような胸当てをつけ、馬はライオンのような頭を持ち、
その口からは火と煙と硫黄が吹き出します。
この火と煙と硫黄によって、人類の三分の一が命を落とします。
これは自然の災害ではなく、悪霊による超自然的な霊的裁きです。
この「2億の騎兵隊」は、実際の兵士ではなく、悪霊の軍勢を象徴していると多くの解釈があります。
その異様な姿と、尾にも頭があり人を害するという特徴からも、それが神に敵対する霊的な存在であることがわかります。
それほどの大きな裁きが下されても、生き残った人々は悔い改めることなく、
金・銀・木・石などで作った偶像を拝み、殺人や不品行、盗みをもやめようとしませんでした。
この黙示録のビジョンは、神の義と、変わろうとしない人間の心を静かに映し出しています。
現代を生きる私たちにも、「どこに心を向けているのか」と問いかけられているようです。
🕯️「それでも、まだ待っていてくださる」――大患難が始まる前に
ラッパの音は、愛のうちに鳴り響いています。
まもなく、イスラエルがある国と平和条約を結んだときに大患難時代、偽のキリストに従う時代が始まると言われています。
それは、聖書が語る「大患難時代」――信じる者さえ試される、深く苦しいとき。けれど、今ならまだ間に合います。
神さまは、滅びではなく希望の道を用意してくださっています。
🌼こどもたちへのメッセージ
ラッパの音が聞こえたとき、それは「きけんだよ、気づいてね」という神さまからのメッセージ。
でも、ひとびとはじぶんのつくったものばかり見て、神さまを見ようとしなかったんだ。
神さまは、こわがらせるためじゃなくて、ほんとうのいのちの道に気づいてほしいとねがっているんだよ。
🎚️ 信仰のことば
「かれらの口から出てくる火と煙と硫黄によって、人間の三分の一は殺されてしまった」
──ヨハネの黙示録 9章18節(口語訳)
これは、人の命が霊的な世界にも深く結びついていることを示しています。
それでも神はなお、「すべての人が悔い改めて生きることを望んでおられる」お方です(エゼキエル33:11)。
🖼 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
ヨハネの黙示録に描かれた『第六のラッパの裁き』を表現した原画。四人の堕天使と、獅子の顔を持つ騎兵たち、そして偶像を拝む人々の姿が描かれている。
【キャプション】
『第六のラッパの裁き』(ヨハネの黙示録 9:13–21)
――神の御声により解き放たれた四人の堕天使と、恐るべき騎兵たち。
火と煙と硫黄により地の三分の一が滅ぼされても、人々は悔い改めず、偶像を拝み続けた。
この絵は、神の正義と人のかたくなさを対比的に描いています。
📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
🎨 らけるまの創作メモ|御使いたちと、かたくなな人々を描こうとした日
この絵では、四人の堕天使の冷たさと、騎兵たちの異様な姿を通して、「神の裁きの厳しさ」を描こうとしました。
その一方で、地上にいる人々の表情や服装には、どこか現代の私たちの姿も重ねています。
偶像礼拝や無関心は、決して遠い世界のことではなく、今ここにある問題かもしれません。
描きながら、自分自身が神のことばにどう向き合っているのかを、深く問い直されました。
だからこそ、観てくださる皆さんにも、恐れではなく「目を覚ます愛のラッパ」として、この絵が届くことを願っています。
📝この記事のまとめ
- 第六のラッパでは、ユーフラテス川につながれていた四人の堕天使が解き放たれる
- 火と煙と硫黄という超自然的な裁きにより、人類の三分の一が滅ぼされる
- それでも人々は悔い改めず、偶像にすがりつづけた
- 神の裁きと人のかたくなさが対比されている
- 原画は、その霊的なメッセージを色と構図で視覚化している
🕊️ 結びの祈り
主よ、
あなたが御声をもって警告されるとき、私たちはそれを恐れとしてではなく、愛の招きとして受け取れますように。
私たちの心が、かたくなさから解き放たれ、悔い改めと信仰へと導かれますように。
あなたの裁きは真実であり、その中にもあわれみと希望があることを信じます。
この原画を見たすべての方の上に、あなたの光と平安がありますように。
アーメン。
🔔 次回の予告
小さな巻物──ヨハネの黙示録10:1-11
📘 ヨハネの黙示録をもっとくわしく知りたい方へ
🔎 黙示録とはどんな書?終末の預言と希望のメッセージをやさしく解説しています。
🕊️ 聖書の最後に記されたこのヨハネの黙示録は、
恐れではなく、備えと希望のために与えられた、最も祝福された預言書です。
読む者、聞く者、心に留める者に祝福があると、はじめから約束されています
この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて、その中に書かれていることを守る者たちとは、さいわいである。時が近づいているからである。(黙示録1:3)。
どうか心を静めて、神の御声に耳を傾けてみてください。
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