🌱はじめに
神の御心をあらわす巻物――それはただ読むものではなく、「食べるもの」でした。
ヨハネが見た強い御使いの幻と、小さな巻物をめぐる不思議なやりとりは、
私たちが神のことばをどう受け取るべきかを、静かに問いかけてきます。
患難期のただなかで語られたこのビジョンを、祈りとともに見つめてみましょう。
📝この記事を読むとわかること
- 黙示録10章「小さな巻物」の意味と背景
- この出来事が患難期のどのタイミングか
- ヨハネが巻物を食べる象徴的な意味
- 原画の中に込められた表現と祈り
🖼️ 原画:『小さな巻物』(らけるま作)

🪷やさしい解説
この場面は、「第六のラッパ」と「第七のラッパ」のあいだ、すなわち患難期の中間にあたります。
以後の第七のラッパから、患難期は後半3年半へと進んでいきます。
ヨハネは、雲に包まれ、虹の冠をかぶった「強い御使い」を見ます。
その御使いは片足を海に、もう片足を地に置いて立ち、右手には開かれた小さな巻物を持っていました。
彼は天に向かって誓いを立て、「もう時がない」と告げます。
それは、神の計画の完成がすぐそこに来ているというしるしでした。
天の声はヨハネに、「その巻物を取って食べなさい」と命じます。
巻物は口には蜜のように甘いけれど、腹には苦く感じられました。
これは、神のことばが人の心に深く届くとき、喜びとともに責任や痛みも伴うことを象徴しています。
巻物は単なる啓示ではなく、ヨハネが預かる預言の使命そのものでした。
そして彼は、「もう一度、多くの民、国、ことば、王たちについて預言しなければならない」と告げられます。
神のことばは、読むだけでなく「受け取り、取り込み、生きる」もの――
この幻は、それを私たちに教えてくれているのです。
🕯️「それでも、まだ待っていてくださる」――大患難が始まる前に
ラッパの音は、愛のうちに鳴り響いています。
まもなく、イスラエルがある国と平和条約を結んだときに大患難時代、偽のキリストに従う時代が始まると言われています。
それは、聖書が語る「大患難時代」――信じる者さえ試される、深く苦しいとき。けれど、今ならまだ間に合います。
神さまは、滅びではなく希望の道を用意してくださっています。
🌼こどもたちへのメッセージ
天使がもっていた小さなまきものは、ほんとうは「神さまのことば」だったんだ。
ヨハネはそれを読んだんじゃなくて、「たべなさい」といわれたよ。
たべるってことは、神さまのことばを、自分の中にちゃんと受けとるっていうこと。
ときには、ちょっぴりにがいこともあるけれど、心にはあまい希望がひろがっていくんだよ。
🎚️ 信仰のことば
「取って、それを食べてしまいなさい。あなたの腹には苦いが、口には蜜のように甘い。」
──ヨハネの黙示録 10章9節(口語訳)
神のことばは、時に甘く、時に苦く――
けれど、それはすべて命をもたらす真実のパンです。
🖼 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
ヨハネの黙示録10章に描かれる「小さな巻物」の場面を描いた原画。虹の冠をかぶり、雲に包まれた強い御使いが、片足を海に、もう一方を地に置いて立ち、右手に開かれた巻物を持っている。下には巻物を受け取るヨハネの姿が描かれている。
【キャプション】
『小さな巻物』(ヨハネの黙示録10:1–11)
――開かれた巻物を持つ強い御使いが現れ、ヨハネに「それを取って食べなさい」と命じる。
巻物は「口には甘く、腹には苦い」。神のことばの真理の重さと、預言者として生きることの使命を象徴する原画です。
📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
🎨 らけるまの創作メモ|神のことばを「食べる」とはどういうことか描こうとした日
この絵を描くとき、「食べる預言」ということばがずっと心に残っていました。
ことばは、頭で知るだけでなく、心と体にしみこむもの。
ヨハネが御使いの手から巻物を受け取り、それを食べる――その行為には、
恐れと信頼、使命と覚悟が同時に込められているように思えました。
巻物を持つ御使いの表情をあえて厳しくせず、
天と地に足を置いたその姿に、「神のことばは全地に届く」ことを重ねました。
この絵が、読む人の心にやさしく語りかけることを願っています。
📝この記事のまとめ
- この場面は第6と第7のラッパの間、患難期の中間に位置する
- 強い御使いが、開かれた巻物を携えて天から現れる
- 巻物はヨハネが「食べる」もので、預言の象徴
- 口には甘く、腹には苦い=神のことばの喜びと重み
- ヨハネは再び、全世界に向けて預言を託される
🕊️ 結びの祈り
主よ、
あなたのことばを読むだけでなく、
心の深くに受け取り、生きる者とならせてください。
あなたの巻物は、甘くもあり、苦くもあります。
それでも、あなたから来ることばだけが、
わたしたちを真理へと導く唯一の道であることを信じます。
わたしの歩みが、あなたのことばを映し出すものとなりますように。
どうかこの絵とことばを通して、あなたの御声が静かに届きますように。
アーメン。
🔔 次回の予告
ふたりの証人──ヨハネの黙示録11:1-14
📘 ヨハネの黙示録をもっとくわしく知りたい方へ
🔎 黙示録とはどんな書?終末の預言と希望のメッセージをやさしく解説しています。
🕊️ 聖書の最後に記されたこのヨハネの黙示録は、
恐れではなく、備えと希望のために与えられた、最も祝福された預言書です。
読む者、聞く者、心に留める者に祝福があると、はじめから約束されています
この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて、その中に書かれていることを守る者たちとは、さいわいである。時が近づいているからである。(黙示録1:3)。
どうか心を静めて、神の御声に耳を傾けてみてください。
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