エルサレム到着|使徒21:15-26

エルサレムに到着したパウロ一行が、兄弟たちと再会し、神の導きを静かに受け止めている場面を描いた原画 使徒の働き

🌱 はじめに

長い旅の終わりは、必ずしも安らぎとは限りません。
エルサレムは、信仰の中心であると同時に、
パウロにとって最も緊張の伴う場所でもありました。

主の御心に従って歩んできた道の先で、
待っていたのは称賛だけではなく、
誤解と配慮、そして沈黙を伴う選択でした。
それでもパウロは、逃げることなく、
神の民のただ中へと足を踏み入れていきます。


📝 この記事を読むとわかること

  • パウロ一行がエルサレムに到着した時の様子
  • ヤコブと長老たちとの対話の意味
  • 異邦人宣教と律法をめぐる緊張
  • 信仰のために「譲る」選択とは何か

📖 この箇所の文脈

使徒21章15-26節は、
パウロが長い宣教旅行を終え、ついにエルサレムに到着する場面です。

兄弟たちは喜んで迎えましたが、
教会の中には、異邦人信者が増えたことに対する
不安と誤解も広がっていました。

ヤコブと長老たちは、
教会の分裂を避けるため、
パウロに一つの提案をします。


🖼️ 原画『エルサレム到着』(らけるま作)

カイザリヤからエルサレムへ向かう旅路の地図と、エルサレムに到着したパウロ一行が兄弟たちに迎えられ、ヤコブと長老たちの前で異邦人宣教の報告をし、律法を重んじる人々との緊張の中で助言を受ける様子を描いた原画。
エルサレムに到着したパウロは、喜びの歓迎とともに、教会の中にある現実的な緊張にも向き合っていく。
異邦人宣教の実りと、共同体の一致を求める対話の場面。(使徒21章15-26節)

🪷 やさしい解説

● 喜びの歓迎と、見えない緊張

エルサレムの兄弟たちは、
パウロの帰還を喜んで迎えました。
しかしその喜びの裏には、
律法を重んじる多くの信徒たちの戸惑いがありました。

信仰の正しさが、
文化や習慣の違いによって揺らいでいたのです。

● ヤコブと長老たちの配慮

ヤコブは、異邦人の間で神がなさったことを認めつつ、
ユダヤ人信徒たちの心にも配慮する道を示します。

それは妥協ではなく、
教会の一致を守るための知恵でした。

● ヤコブとはどのような人物だったのか

ここで登場するヤコブは、十二弟子の一人ではなく、
主イエスの兄弟であり、エルサレム教会の指導者となった人物です。

聖書は彼を
「主の兄弟ヤコブ」(ガラテヤ1章19節)
と呼んでいます。
イエスは聖霊によって宿られたため、
ヤコブは 母マリアを同じくする異父兄弟 と理解されます。

ヤコブは、最初からイエスを信じていたわけではありません。
しかし復活された主が特別に彼に現れた後、
彼は主を「兄」ではなく 「主」として告白する者へと変えられました。

その歩みを経たヤコブだからこそ、
使徒21章で見られるように、
感情に流されず、権威を振りかざすこともなく、
教会全体の一致と平安を第一に考える姿勢を取ることができたのです。

この背景を知ると、
ヤコブの提案が単なる妥協ではなく、
深い信仰と愛から生まれた配慮であったことが、
よりはっきりと見えてきます。

● パウロの沈黙と従順

パウロは、自分が誤解されていることを承知の上で、
長老たちの提案を受け入れます。

ここに描かれているのは、
正しさを主張する信仰ではなく、
共同体のために自分を低くする信仰です。

● 信仰は勝ち取るものではなく、守り合うもの

この場面は、
「何が正しいか」ではなく、
「どうすれば神の民が一つでいられるか」
を問いかけています。


🌼 こどもたちへのメッセージ

パウロさんは、
ほんとうは言いたいことが、
たくさんあったかもしれません。

でもね、
みんなのために、
だまって受け入れました。

イエスさまは、
いつも、
あいだをつなぐ道をえらばれたよ。


🎚️ 弟子の告白

主よ、
わたしは誤解されることが苦手です。
正しさを分かってほしいと願ってしまいます。

それでも、
あなたが愛しておられる群れのために、
自分を低くする心を与えてください。
御国の希望を見失わず、
従順の道を歩む弟子でありたいです。


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
エルサレムに到着したパウロ一行が兄弟たちに迎えられ、ヤコブと長老たちの前で異邦人宣教の報告をし、教会の一致のために配慮ある助言を受ける場面を描いた原画。

【キャプション】
喜びと緊張が交差するエルサレムで、教会の一致のために沈黙と従順を選んだパウロ。(使徒21章15-26節)

📌 原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/


🎨 らけるまの創作メモ|「受け入れる覚悟」を描こうとした日

この原画を描きながら、
信仰とは前に進む勇気だけでなく、
立ち止まり、受け入れる力でもあると感じました。
言葉を控え、主にゆだねる姿を、
人物の向きと余白に込めました。


📝 この記事のまとめ

  • パウロはエルサレムに到着した
  • 教会には喜びと同時に緊張があった
  • ヤコブと長老たちは一致を優先した
  • パウロは沈黙と従順を選んだ

🕊️ 結びの祈り

主よ、
わたしたちが正しさを主張したくなるとき、
あなたの愛と知恵を思い出させてください。
この記事を読む一人ひとりが、
分断ではなく、和解の器として用いられますように。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。


🔔 次回の予告

次回は、「神殿内での暴動、千人隊長の介入」使徒21章27-32節
沈黙の後に、事態は大きく動き始めます。


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