🌱 はじめに
華やかな王の法廷。
威厳ある王と総督、重立った人々が集うその場に、鎖につながれた一人の囚人が立たされます。それが、使徒パウロでした。
この出来事は、人の目には「裁きの場」に見えますが、神さまの目には救いの証しの場でした。
恐れと緊張の中で、パウロは復活の主イエスとの出会いを語り、神の真理を大胆に証ししていきます。
ここには、弱さの中に輝く信仰の力と、神のご計画の深さが静かに流れています。
📝 この記事を読むとわかること
- アグリッパ王の前でパウロが語った証しの内容
- 迫害者から宣教者へと変えられたパウロの回心
- 神が逆境の中でも働かれるご計画
- 私たちの人生にも与えられている「使命」と「希望」
📖 この箇所の文脈
パウロはエルサレムで捕らえられ、カイザリヤに移送されました。
そこで総督フェストのもとで裁きを受けることになりますが、ユダヤ人たちの陰謀から身を守るため、ローマ皇帝への上訴を行いました。
その後、ユダヤ地方の王であるアグリッパ二世とベルニケがフェストを表敬訪問し、パウロの件が語られます。
こうして、王と総督、重立った人々が集まる公式の場で、パウロが証しをする機会が与えられたのです。
🖼️ 原画:『アグリッパ王の前に引き出されるパウロ』(らけるま作)

その沈黙の中に、神の救いの物語が静かに息づいている。

恐れの中でこそ輝く、神への揺るがぬ証し。

主と出会った瞬間、人生は新しくされ、使命の道が開かれていく。

パウロの心は、ただ真理と希望を語り続けていた。
主の光は、裁きの場をも照らしていく。
🪷 やさしい解説
この場面は、パウロの人生の集大成とも言える証しの瞬間です。
苦しみと迫害の道のりを経て、神さまがどのように働かれたのか、やさしく見ていきましょう。
① 王たちの前に立つパウロ(25:23)
王と総督、千卒長や有力者たちが集まる華やかな法廷。
その中心に立たされたのは、鎖につながれた一人の囚人、パウロでした。
しかし神さまは、この場を裁きの場ではなく、証しの場として用いられました。
人の権威の前に立ちながらも、パウロの心は神の平安に満たされていました。
② 迫害者から使徒へ(26:4–18)
パウロは自分の過去を語ります。
かつては熱心なユダヤ教徒として、イエスを信じる人々を激しく迫害していました。
しかし、ダマスコ途上で復活の主イエスと出会い、
その人生は完全に変えられたのです。
「起き上がって立ちなさい。わたしはあなたを遣わす」
この言葉によって、パウロは異邦人への宣教という使命を与えられました。
③ 苦しみの中で語られる希望(26:19–23)
パウロは、迫害と苦難の中でも、神に従い続けたことを語ります。
復活の希望は、彼の心の支えであり、生きる力でした。
苦しみは終わりではなく、神のご計画の途中。
そこに、神さまの深い導きがあることを、パウロは証ししています。
④ 王の心に届く真理(26:24–32)
フェストは「狂っている」と叫びますが、
パウロは静かに、しかし力強く答えます。
「フェスト閣下よ、わたしは気が狂ってはいません。わたしは、まじめな真実の言葉を語っているだけです。」
アグリッパ王は心を動かされ、
「おまえは少し説いただけで、わたしをクリスチャンにしようとしている」と語ります。
この場は、王たちの魂に神の光が差し込んだ瞬間でもありました。
⑤ 退場後に語られた真実 ― 神の正義の証言(使徒26:31–32)
パウロの証しを聞き終えたあと、アグリッパ王、フェスト、ベルニケ、そして列席していた人々は席を立ち、互いに語り合いました。
行 26:31
「あの人は、死や投獄に当るようなことをしてはいない。」
この言葉は、パウロの無実が、公の場で正式に認められた瞬間でした。
人の裁きの場において、神の正義が静かに、しかしはっきりと示されたのです。
そして、さらにアグリッパ王はフェストにこう語ります。
行 26:32
「あの人は、カイザルに上訴していなかったら、ゆるされたであろうに。」
ここには、深い皮肉と、神の不思議なご計画が隠されています。
もしパウロが皇帝への上訴をしていなければ、
この時点で釈放されていたでしょう。
しかし、パウロが選んだのは「自由」ではなく「使命」でした。
彼はすでに、主からこう告げられていました。
「あなたは、ローマでも証しをしなければならない。」
人の目には「遠回り」「無駄」「不自由」に見える選択。
しかし神の目には、福音が世界の中心ローマへ届くための最短の道でした。
パウロは、自分の人生を守るよりも、
神のご計画を選び取ったのです。
ここに、弟子としての成熟と、
神への完全な信頼を見ることができます。
🌼 こどもたちへのメッセージ
こわい人たちの前で話すとき、ドキドキするよね。
でも、イエスさまはいつも、あなたと一緒にいてくれるよ。
パウロは、こわくても、イエスさまのことを信じて、勇気を出して話しました。
神さまは、その小さな勇気を、すばらしい祝福に変えてくださいます。
🎚️ 弟子の告白
主よ。
わたしは弱く、恐れやすく、すぐに自分を守ろうとします。
それでも、あなたに従いたいと願っています。
困難の中でも、
あなたの真理を語る勇気と、
人を愛する心を与えてください。
御国の希望を抱き、
今日もあなたの光の中を歩ませてください。
アーメン。
🖼 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
アグリッパ王とベルニケ、総督フェストの前に、鎖につながれたパウロが立ち、復活の希望を証ししている場面。
【キャプション】
鎖につながれながらも、心は自由。
王の前で語られる、神の救いの物語。
📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/
🎨 らけるまの創作メモ|「王の前に立つパウロ」を描こうとした日
鎖につながれ、弱く見えるパウロ。
でも、その心には、誰にも縛ることのできない自由と光がありました。
この絵には、
「どんな状況でも、神さまは共におられる」
という希望を込めました。
見る人の心に、
そっと平安が届きますように。
📝 この記事のまとめ
- パウロは王たちの前で大胆に証しした
- 迫害者から使徒へと人生が変えられた
- 苦しみの中にも神の導きがある
- 復活の希望はすべての人に開かれている
🕊️ 結びの祈り
愛する天のお父さま。
今日もあなたの御言葉にふれ、心が静められたことを感謝します。
苦しみの中にいる人、迷いの中にいる人、
どうかあなたの光で包んでください。
わたしたち一人ひとりが、
小さなパウロとして、
愛と希望を運ぶ者となれますように。
主イエス・キリストのお名前によって祈ります。
アーメン。
🔔 次回の予告
次回は、「ローマに向かう船の旅」|使徒27章1–44節。
嵐と難破の中で守られる、神の奇跡の物語をお届けします。
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