🌱 はじめに
人は、いつも同じ場所に留まれるわけではありません。
共に過ごした時間が長ければ長いほど、別れは重く、言葉は慎重になります。
ミレトで語られたパウロの言葉は、説教というよりも、
人生そのものの告白でした。
三年間、涙と労苦を共にしたエペソの教会の長老たちに向けて、
パウロは自分の歩みと信仰のすべてを、惜しみなく語ります。
そこには、今の私たちの教会や信仰にも深く響く、大切な問いが込められています。
✨ 使徒の働き ✨
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前回の記事「トロアスでの語り合いと青年の生き返り」はこちらからご覧いただけます
📝 この記事を読むとわかること
- パウロがエペソの長老たちに何を語ったのか
- 三年間の奉仕に込められた思い
- 教会を託すとはどういうことか
- 現代の教会と私たち自身へのメッセージ
📖 この箇所の文脈
使徒20章17-38節は、第三回宣教旅行の終盤、
パウロがエルサレムへ向かう途中で、ミレトに立ち寄った場面です。
パウロはエペソに戻らず、ミレトから使者を送り、
エペソ教会の長老たちを呼び寄せました。
それは、この別れが最後になる可能性を、彼自身が強く意識していたからです。
ここで語られる言葉は、教会の指導者たちへの遺言のような重みを持っています。
🖼️ 原画
『ミレトでエペソの長老たちに語る』(らけるま作)

神にゆだねて歩む信仰の姿勢が、静かに刻まれる場面。(使徒20章)

それでも希望は主にあり、道は次へと続いていく。(使徒20章17-38節)
🪷 やさしい解説
● 涙と試練の中で仕えた三年間
パウロはまず、自分がどのようにエペソで過ごしてきたかを語ります。
それは成功や成果ではなく、涙と忍耐、謙遜に満ちた日々でした。
信仰の歩みは、順調な時だけで成り立つものではありません。
むしろ苦しみの中で、神への信頼が育てられていきます。
● 命よりも大切な使命
パウロは、自分の命さえ惜しまず、
主から与えられた務めを果たすことを第一としています。
それは無理をする生き方ではなく、
「ゆだねきった生き方」でした。
● 教会を託すということ
長老たちに向けて、パウロは
「自分自身と群れとに気をつけなさい」と語ります。
教会は人のものではなく、
神が血をもって贖われたもの。
その重さと尊さが、静かに伝えられます。
● 与えることと、求めない姿勢
パウロは、長老たちに向かってはっきりとこう語りました。
「わたしは、人の金や銀や衣服をほしがったことはない。」
「この両手は、自分の生活のためにも、また一緒にいた人たちのためにも、働いてきた。」
パウロは、献金そのものを否定しているのではありません。
しかし彼は、教会の働きが「求める側」になることの危うさを、身をもって示しました。
自分の生活のために働き、
共にいる人たちのためにも手を動かす。
その姿勢こそが、福音をゆがめないための土台でした。
現代の教会では、「献金しなさい」という言葉が前に出すぎてしまうことがあります。
けれど聖書が示しているのは、
まず仕える姿、与える姿、生き方そのものが福音であるという在り方です。
教会は、お金によって支えられる場所である前に、
命と誠実さによって建て上げられる共同体なのだと、
この箇所は静かに教えています。
● 祈りと涙の別れ
最後に、パウロは彼らと共にひざまずいて祈ります。
言葉よりも深い祈りと、抱擁と涙。
それが、この場面のすべてを物語っています。
🌼 こどもたちへのメッセージ
パウロさんは、だいじな人たちと、
もう会えないかもしれないと知っていました。
だから、うそをつかず、
たいせつなことを、ぜんぶ話しました。
かみさまは、
「さようなら」のときも、
いつもいっしょにいてくださいます。
🎚️ 弟子の告白
わたしは、強い弟子ではありません。
不安になり、迷い、涙することもあります。
それでも、主が託してくださった人や時間を、
大切にしたいと願っています。
すべてを守れなくても、
あなたに従いたいという心だけは、手放さずに歩みたいです。
🖼 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
ミレトに集められたエペソの教会の長老たちに、これまでの歩みと信仰のすべてを語り、別れを前に祈るパウロの姿を描いた原画。
【キャプション】
三年間の歩みを語り尽くし、祈りと涙の中で教会を神に託した別れの場面。(使徒20章17-38節)
📌 原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/
🎨 らけるまの創作メモ|「語りきって託す」場面を描こうとした日
この原画を描きながら、
「伝えること」と「手放すこと」は、同じだと感じました。
すべて語ったからこそ、安心して祈りに委ねられる。
その静かな強さを、線と余白に込めました。
📝 この記事のまとめ
- パウロは三年間の歩みを正直に語った
- 命よりも使命を大切にした
- 教会は神に属する尊い群れである
- 祈りと涙の別れが、希望へとつながっている
🕊️ 結びの祈り
主よ、
語るべきことを語り、
託すべきものをあなたに委ねる勇気を与えてください。
この記事を読む一人ひとりの歩みにも、
あなたの導きと慰めがありますように。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
🔔 次回の予告
次回は、「ミレトからツロへ」使徒21章1-6節。
別れの余韻を胸に、旅はさらに続いていきます。
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