🌱はじめに
夜が明け、新しい一日が始まる時、イエスさまは人々の裁きの前に立たれていました。そこには怒りや非難ではなく、静かに真実を語る御子の姿があります。光の中で、イエスさまはご自分の使命を明かされました。
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前回の記事「ペテロの三度の否認」はこちらからご覧いただけます
📝この記事を読むとわかること
- 夜明け後に開かれた議会の目的と様子
- イエスがご自身を「神の子」と証言した意味
- 原画に込められた静けさと真理の表現
- 弟子としてのまなざしと応答
📖 この箇所の文脈|神の子と証言されるイエス
前回は、イエスが予告していたペテロの三度の否認の場面でした。弱さの中で涙する弟子の姿を通して、イエスさまの深い愛が示されました。
今回は、夜が明けてからの議会の場面です。サンヘドリンと呼ばれるユダヤ議会が正式な形で開かれ、イエスはそこで宗教的に裁かれます。質問はただ一つ、「あなたは神の子なのか」。イエスはその問いに、真っすぐに、はっきりと答えられます。
「あなたがたの言うとおり、わたしはそれである」。それは、ご自身がキリストであると公に示された瞬間でした。裁かれるための答えでありながら、救いをもたらす真理そのものの宣言でした。
🖼️ 原画:『夜明け後の議会による裁判』(らけるま作)

🪷やさしい解説
この夜明け後の裁判は、イエス様の受難の時系列において、ユダヤの宗教裁判からローマの政治裁判へと移行する重要な橋渡しとなる出来事です。
ルカの福音書22章66-71節は、マタイとマルコが記した夜間の非公式な審議(マタイ26:57-68、マルコ14:53-65)の後に、正式な死刑判決を下すために行われた朝の公判を記述しています。
🏛️ 夜明け後の議会による裁判(ルカ22:66-71)
1. 22章66節:時間と場所の公的な設定
「夜が明けると、民の長老たち、祭司長たち、律法学者たちからなる人々の会議(サンヘドリン)が集まり、イエスを彼らの議場に連れて来た。」
- 時間(夜が明けると): ユダヤの律法では、死刑判決を伴う裁判を夜間に行ってはならないとされていました。夜明けを待って会議を開くことで、彼らは形式的に律法を遵守し、裁判を合法化しようとしました。
- 会議(サンヘドリン): ユダヤ人の最高議会であり、宗教的・市民的な最高権威を持つ組織です。彼らの議場にイエス様を連れて行くことで、この尋問が公式の決定を目的としていることが明確になりました。
2. 22章67-69節:キリスト(メシア)であるかの尋問
サンヘドリンは、イエス様をローマに引き渡すための決定的な罪状を得るために、核心的な質問をします。
- 最初の質問 (67節): 「あなたがキリストなら、そう言ってもらいたい」
- イエス様の応答 (67-68節): イエス様は、すでに彼らが信じる意思がないことを知っていたため、「わたしが言っても、あなたがたは信じないだろう。また、わたしがたずねても、答えないだろう」と答えられました。これは、彼らが真実を求めているのではなく、ただ告訴の材料を求めていることを見抜いた応答です。
- 決定的な宣言 (69節): しかし、イエス様は沈黙せず、ご自身の真の権威を宣言しました。「しかし、人の子は今からのち、全能の神の右に座するであろう」
- この言葉は、ダニエル書7章13節(人の子の到来)と詩篇110篇1節(神の右の座)を合わせた、イエス様がメシア(キリスト)であり、かつ神の権威を持つ者であるという最強の自己宣言でした。
3. 22章70-71節:神の子としての告白と判決
イエス様の「人の子」宣言を聞いた議会は、それを直ちに「神の子」であることの主張だと解釈し、さらなる決定的な質問を浴びせます。
- 決定的な質問 (70節): 「では、あなたは神の子なのか。」
- イエス様の回答 (70節):「あなたがたの言うとおりである」
- イエス様はこの質問に対して曖昧にせず、はっきりとご自身が神の子であることを認めました。
- 判決の確定 (71節):「これ以上、なんの証拠がいるか。われわれは直接彼の口から聞いたのだから」
- イエス様自身のこの告白は、彼らにとって最高の罪状、すなわち「冒涜罪(神に対する不敬)」が成立したことを意味しました。彼らは、もう証人を探す必要はないと判断し、死刑判決を確定させました。
🔑 この公判の意義
この夜明け後の議会の裁判は、時系列において非常に重要です。
- 宗教的罪状の最終確定: 夜間の審議(マタイ26章)で下された決定を、正式な公判として追認しました。罪状は「神の子であると主張したこと」による冒涜罪です。
- ピラトへの引き渡し準備: ユダヤ人には死刑執行権がなかったため、この確定した判決(死刑に値する罪)をもって、イエス様をローマの総督ピラト(政治権力)のもとに引き渡し、処刑の許可を得るための準備が完了しました。
- 罪状のすり替え: イエス様をピラトに引き渡す際、サンヘドリンは「冒涜罪」(宗教的罪状)を隠し、ローマが関心を持つ「政治的罪状」(「ユダヤ人の王」と称して反乱を企てた罪)にすり替えることになります(ルカ23:2)。
これで、イエス様の裁判はユダヤの領域を離れ、ローマの領域へと移ります。
イエスさまは、議会の人々に囲まれながら、静かにご自身のことを証言されました。
問われたとき、恐れたり、否定したりせず、「そうです」と語られたその姿に、真理を生きることの強さと静けさがあらわれています。
私たちもまた、「あなたは神の子ですか」と問われるような場面に出会うかもしれません。そのとき、イエスさまのように、静かに信じる心を語れるようにと願います。
🌼こどもたちへのメッセージ
イエスさまは、「あなたは神の子ですか」ときかれて、「そうです」とこたえました。それは、とてもたいせつなことを、こわがらずにいうことでした。イエスさまは、ほんとうのことを、しずかに、まっすぐに言われたのです。
🎚️ 弟子の告白
主よ、わたしはあなたを信じています。
でも、そのことを言葉にする勇気が持てないときもあります。
イエスさまが裁かれる場で、ご自身を「神の子」と言われたように、
わたしもまた、あなたのものですと、静かに告白する信仰を与えてください。
🖼 原画アイキャッチ情報
【代替テキスト】
夜が明け、両手を縛られたイエスが議会の前に立たされている。背景には多くの祭司長や律法学者、長老たちが集まり、正面からイエスを見つめている。イエスは静かに、しかし堂々とした姿でその場に立っている。
【キャプション】
夜明けとともに開かれた議会。偽証や混乱のない問いかけの中で、イエスはご自身が「神の子」であることを静かに証言されます。真理は光の中で語られ、十字架への道がいよいよ明らかにされていきます。
📌原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/
🎨 らけるまの創作メモ|静かな証言を描こうとした日
この絵を描いたとき、イエスさまが騒がしさの中でなく、静けさの中で真理を語られる姿を思い浮かべていました。多くの人に囲まれていても、ただ神の前に立つように、まっすぐに証言される姿。その静かな力を、絵の中にそっと込めました。
📝この記事のまとめ
- 夜明け後に議会が正式に開かれた
- イエスは「神の子」であると証言された
- それは十字架への道を開く応答だった
- 真理は静かに、しかし力強く語られた
- 原画はその静けさと尊厳を描いている
🕊️ 結びの祈り
主よ、あなたが裁かれた朝、真理を曲げずに語られた姿を思います。
わたしたちもまた、日々の中であなたを信じる心を告白できますように。
静かな勇気と、揺るがぬ信仰をもって歩ませてください。
この記事を読まれたすべての方の心に、あなたの平安と確信が満ちあふれますように。
🔔 次回の予告
次回は、「ピラトに引き渡されたイエス・ユダの死」マタイの福音書27章1-10節。
人の裁きから、ローマの総督の手へと移る場面と、ユダの悲劇を静かに見つめていきます。
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