フェストの着任とパウロのカイザル上訴|使徒25:1-12

フェスト総督の前で、ユダヤ人たちから訴えを受けながらも、落ち着いて語り、カイザルへの上訴を申し出るパウロの姿。人の思惑が交錯する法廷の緊張感が描かれている。 使徒の働き

🌱 はじめに

人の判断に委ねられるように見える出来事の中にも、神さまの確かなご計画は静かに進んでいます。
使徒25章では、新しく総督となったフェストの前で、パウロが再び訴えを受け、ついに「カイザルへの上訴」という大きな決断をします。
それは逃げでも自己防衛でもなく、主に導かれた一歩でした。
この箇所を通して、困難の中で神に信頼して歩む姿を、私たちも見つめていきましょう。


📝 この記事を読むとわかること

  • フェストとはどのような人物だったのか
  • なぜパウロはカイザルに上訴したのか
  • 人の不正や策略の中でも、神のご計画が前進していること
  • 私たちが不公平や理不尽に直面したときの信仰の姿勢

📖 この箇所の文脈

パウロは、前総督フェリクスの時代から、正当な罪がないまま囚われの身となっていました。
新しく着任した総督フェストは、まずエルサレムを訪れ、そこで祭司長たちやユダヤ人の指導者から、パウロに対する訴えを受けます。

彼らはパウロをエルサレムに呼び戻すよう願い出ますが、その裏では彼を殺す計画がありました。
フェストはパウロをカイザリヤに呼び出し、裁判の場を設けますが、どの訴えも証拠のないものでした。

そこでパウロは、ローマ市民としての権利を用い、「カイザルに上訴します」と宣言します。
この決断は、後にローマへ至る道を開く、神のご計画の一部となっていきます。


🖼️ 原画:『フェストの着任とパウロのカイザル上訴』(らけるま作)

フェスト総督の前で、ユダヤ人たちから訴えを受けるパウロの姿。重い告発が並ぶ中でも、落ち着いて弁明し、カイザルへの上訴を語る場面が描かれている。
フェストの法廷で語られるパウロの弁明。人の思惑が交錯する中でも、主の導きのもと、福音は確かに前へと進められていく。

🪷 やさしい解説


この場面は、冷たい法廷の出来事でありながら、神さまのあたたかな導きが静かに流れている箇所です。
一つひとつ、やさしく見ていきましょう。

● 新しい総督フェストの登場

フェストは、前任者よりも秩序を重んじる人物でしたが、ユダヤ人たちの機嫌も取ろうとしていました。
人の正義と人情の間で揺れる姿は、私たち自身の姿とも重なります。

🧑‍⚖️ フェストの人物像

フェスト(ポルキウス・フェスト)は、ローマ皇帝ネロの時代にユダヤ属州の総督として派遣された人物です。
前任のフェリクスが私利私欲や不正で評判が悪かったのに対し、フェストは比較的秩序と法を重んじる実務的な行政官であったと考えられています。

しかし一方で、彼もまた完全に公平な裁判官ではありませんでした。
着任直後からユダヤ人指導者たちの機嫌を損ねないよう配慮し、政治的な安定を優先しようとする姿勢が見られます。
パウロをエルサレムに移送する案を受け入れかけたのも、その表れでした。

フェストは、

  • パウロが無実である可能性を感じ取っていた
  • しかし、強い確信をもって彼を釈放する勇気はなかった
    という 「わかってはいるが、決断できない人」 の姿を映し出しています。

その優柔不断さの中で、結果的にパウロの「カイザルへの上訴」を認めることになります。
これはフェスト自身の信仰による選択ではありませんでしたが、神さまはその判断さえも用いて、福音をローマへと進めていかれました。

フェストの姿は、
正しさを知りながらも、周囲の目や立場を気にして決断できない人間の弱さを、静かに私たちに問いかけています。

● 繰り返される根拠のない訴え

多くの言葉で責め立てられても、真実は覆い隠せません。
パウロは感情的にならず、静かに「何一つ悪いことはしていません」と語ります。

● カイザルへの上訴という信仰の決断

これは単なる法的手段ではなく、主が以前語られた
「あなたはローマでも証しをする」という約束への応答でした。
パウロは恐れながらも、神の御言葉に立ち続けたのです。


🌼 こどもたちへのメッセージ

いやなことを言われたり、うそを言われたりすることがあるかもしれません。
でも、神さまはいつも見ておられます。
こわくても、正しいことを選ぶ勇気を、神さまは必ず助けてくださいますよ。


🎚️ 弟子の告白

主イエスさま。
わたしは弱く、正しいことを言うのがこわくなることがあります。
それでも、あなたの前に正直でありたいと願います。
自分を守るためではなく、御国の希望のために歩む弟子であらせてください。
失敗しながらでも、あなたに従い続けたいです。


🖼 原画アイキャッチ情報

【代替テキスト】
フェスト総督の前で、ユダヤ人たちから訴えを受けながらも、落ち着いてカイザルへの上訴を語るパウロの姿を描いた原画。

【キャプション】
人の裁きの場にあっても、神のご計画は静かに、確かに前進していく。

📌 原画には、パブリックドメイン口語訳が含まれています。
https://j-bible.jimdofree.com/


🎨 らけるまの創作メモ|「恐れの中で立つ姿」を描こうとした日

この絵を描きながら、強さとは声を張り上げることではなく、
神さまを信じて「立ち続けること」なのだと感じました。
パウロの背中に、主の静かな支えが見えるようにと願いながら、一本一本線を重ねました。


📝 この記事のまとめ

  • フェストの着任により、パウロの裁判は新たな局面を迎えた
  • ユダヤ人たちの訴えには、確かな証拠がなかった
  • パウロは神の約束を信じ、カイザルに上訴した
  • 人の不正の中でも、神の計画は止まらない

🕊️ 結びの祈り

主なる神さま。
不公平や理不尽の中で、心が折れそうになるとき、
あなたの真実に立つ勇気を与えてください。
この記事を読んでいる一人ひとりの心にも、
あなたの平安と導きがありますように。
イエスさまのお名前によって祈ります。アーメン。


🔔 次回の予告

次回は、「アグリッパ王がフェストを表敬訪問」(使徒25章13–22節)
新たな出会いの中で、神のご計画がさらに明らかにされていきます。


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